肯定録-コウテイログ-

肯定ペンギン。加点方式。

AZALEA 2nd Lovelive!感想文〜大切なこの場所で感じてみよう〜


 お久しぶりです、瀬口ねるです。

 先日11/15〜16にかけて開催されたラブライブ!サンシャイン!! AZALEA 2nd LoveLive! ~Amazing Travel DNA Reboot~に参加し、なんだか久しぶりに感想なんかを書き出しておきたいなというほどに良いライブだったので、ちょこっと残しておこうと思います。

 もちろん8月に開催された1stライブもよかったですし、Guilty KissやCYaRon!などなど今まで参加したライブもよかったのですけれども、やっぱり今回のはちょっと特別に感じてしまったなと。

 当然の事ながらAZALEAには3人でいて欲しいですし、3人のパフォーマンスが見たかった、というのは大前提としてありますが、それをおいてもなお良かったなと思えてしまったのです。

・大切なこの場所で感じてみよう

 横浜アリーナといえばAqours 1st ライブが開催された場所。こんなのはもうAqoursのファンであれば誰でも知ってます。
 誰でも知っている事だからこそ、Aqoursの1stライブのことを思い出さずにはいられない物になりました。

 Day2の話になってしまいますが、トリコリコPLEASE!!の衣装が久しぶりに見られて嬉しかったです。あの衣装は配色もデザインも本当に可愛くて大好きなので。
 1stのころには1人でフラスタなんかも贈ったりしたな〜、なんて思い出したり。


 特筆すべき曲は何曲かあると思っていて、まずその1つ目は「夢で夜空を照らしたい」。

 1年生と2年生メンバーでのみ歌われているこの曲はファンミーティングやワンマンライブを含め、Aqoursの1stライブとアジアツアーでしか披露されていない激レアな楽曲となっていました。

 それをまさか、3年生しかいない2人のAZALEAのセトリに組み込んでくるとは…
 イントロが流れてきた時さすがに周囲からちょっと声が漏れてましたし、もしかしたらあれは僕の声だったのかもしれませんが仕方ないと思います、選曲が悪い(良い)。

 1stライブに参加できなかった、もしくは、1stの後からAqoursのファンになった人たちにとっては現地回収できる絶好の機会だったのでは無いでしょうか。

 歌詞の中にも登場する"大切なこの場所で感じてみよう"という言葉のとおり、横浜アリーナというAqours始まりの場所のことを想っての選曲なのだろうなと感じます。
 Day1にしか披露されなかったのが本当に惜しい……。

 この枠はDay2で「届かない星だとしても」に変更されましたが、この曲も夜空がテーマになっている夜空枠ですね。

 曲の文脈でいえば、どちらも「先代への憧れ」が歌われていますし、そういえばアニメ劇中の3年生メンバーのみで結成された初代Aqoursも、千歌と同じように星の輝きに憧れていたんだよな、と気付かされる一幕でもありました。


・優等生からの卒業ですね

 AZALEA 2ndライブは前述のようにただ懐かしさに訴えかけてくるだけのものではなくて、セトリや構成の破天荒さがAZALEAっぽくなくて、でもそれが本当に良かったと思います。

 僕だけが抱いているイメージかもしれませんが、AZALEAはCYaRon!やGuilty Kissと比べると「大人しい」とか「優等生」という印象です。
 楽曲もテクノ調のものが多いとはいえ3ユニットの中ではゆったりしたものが多かったですし、実際キャストさん自身の過去のインタビューでもこう語られています。


小宮 3rdシングルの「Amazing Travel DNA」(2019年12月発売)は大きかったと思います。この曲で殻を破れたというか……やっぱりCYaRon!、AZALEA、ギルキスが並んだとき、CYaRon!は“The アイドル”みたいな確立された個性があるし、ギルキスはギルキスでロック的な強さがあるじゃないですか。「じゃあ、AZALEAだけの魅力ってなんだろう?」って悩んだこともあったんですけど、「Amazing Travel DNA」で「ああ、これか!」みたいな手応えを私は勝手に感じていました。


諏訪 有紗も言っていたように、ほかの2つのユニットが個性的というか、個性が強すぎるんですよ(笑)。だから元気なCYaRon!とカッコいいギルキスと比べたら、AZALEAはどこかふわっとしたところがあって。でも「Amazing Travel DNA」に収録された3曲は私もすごく気に入っていますし、このシングルでやっとAZALEAの形ができたかなと思いますね。


小宮 もちろん1stシングルも2ndシングルも全曲お気に入りなんですけど、インパクトという面で、例えば3つのユニットが出演するライブでギルキスが最後に出てくると全部持っていかれちゃうみたいな感覚がどうしてもあって。そういうコンプレックスじゃないけど、「負けたくない」という気持ちがある中でできた3rdシングルだった気がします。

AZALEA「We'll get the next dream!!!」特集|AZALEAはなぜこんなにも“尊い”のか?作詞家・畑亜貴との対談で浮き彫りになる唯一無二の個性 - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

 2019年の10月に開催されたバンダイナムコエンターテインメントフェスティバル、通称バンナムフェスを覚えていますか。

 あの時僕はAZALEAが出演しないならいいか(仕事もあるし)、と参加を見送ったのですが、あのフェスの後には他コンテンツのオタクさんからも「ラブライブ!サンシャイン!!凄かった」とか「Guilty Kissエモすぎワロタ!」みたいな賛辞の声がひっきりなしに溢れていたのを覚えています。

 そうだろうそうだろう、と思う一方でAZALEAのファンとしてはめちゃくちゃ悔しかったんですよね。
 どうしてGuilty Kissだけが呼ばれたのか?とか、Guilty Kissだけがサンシャイン!!じゃないんだぞ、全部見てくれとか。

 同時に、AZALEAだけが呼ばれていたとしたら、あれだけの賛辞は沸き起こっていたのか…?と。

 そこからというものの、コロナのあれこれでライブは中止や延期を重ね、どこか煮え切らない感情だけがずーーーーーーーーーっと残り続けてようやくAZALEAの1stライブを迎えられたのが2021年の8月です。

 実際AZALEA 1stもかなり良かったですし、Landing action Yeah!!大好きおじさんとしては遠征先であの曲を聴けるのは素直に涙。

 ただやっぱりどこか予定調和というか、AZALEAだよね、みたいな感じというか、2人だったせいもあるでしょうし、「2人なのによくやり切った」という感覚だったことに後で気づくんですね。

 そこから3ヶ月足らずで2ndライブかあ、今度もまた2人かぁ、という気持ち、無かったわけではありません。
 冒頭でも書きましたが、やっぱり3人揃っているAZALEAが見たいのは当然なので。

 でもこれらの不安要素、不満要素を全部ひっくり返してくれたのがAZALEA 2nd。
 「2人なのにやり切った」ではなく、「2人だからやり切れた」と、評価できたことが本当に良かった。

 CYaRon!やGuilty Kissが生バンドを呼んでいたから、もしかしたらAZALEAは有名DJ呼んだりしてくるのか…みたいなことも考えましたが、いくらなんでもAZALEAの世界観でステージ上に男性がいるのは解釈違いすぎるのでそんなことにはならなくて本当に良かったです。

 そういう面でもそうですし、選曲から何から、奇を衒うわけではなくあくまでも自分たちの持ってる手札の中だけから最強のカードを切ってきたところが本当に良かったです。
 常にどう見られているか、どう見せるのが最良なのかを考えている小宮さんが居てこそだと思いました。

 本来であれば欠員なんて最大の不利を、1stの経験を経て最大の長所に変えてしまったところ。

 GALAXY HidE and SeeK Reboot(勝手にこう呼んでいる)のパート分けは、小宮有紗さん/黒澤ダイヤ推しの僕としては個人的にずっと欲しかったものに限りなく近くて、ワンコーラス1人で歌い切る孤独感とか、2人で歌ったことによる「あなたとわたし」感がいっそう際立っていてまるで新しい曲みたいに思えました。

 未熟DREAMERは3年生が1年生の時に書きかけて完成しなかった曲ですが、鞠莉を送り出した後に残された果南とダイヤの2人だけでこの曲を歌うことにも「あったかもしれない」ifの世界線を感じましたし、多分この曲を分脈アリでやれるのは3ユニットの中ではAZALEAだけなんだろうなと思います。

 Guilty KissではWATER BLUE NEW WORLDとかBrightest Melodyとか、CYaRon!では太陽を追いかけろ!とか、それ禁止カードじゃない?みたいな、9人いないのにそれはズルの領域みたいなのがたくさんありましたよね。

 今回のAZALEA 2ndはそれに匹敵するくらいの禁止級カードがたくさん切られていて、その痛快さと、先述したインタビューでの小宮さんの「負けたくない」という気持ちを感じられたのが本当に嬉しかった。

 諏訪さんも小宮さんも他ユニットのライブを見ている訳ですし、いい刺激を受けて2ndライブのセトリを組んだりライブに臨めたのでしょうね。「この曲入れるのズルそうだけどアリなんじゃない?」みたいに。


 僕は小宮さんのファンなので小宮さんのことに関しての言及が多くなってしまうのは許して欲しいのですが、AZALEA 2ndはとにかく小宮有紗の真骨頂というか、この人まだこんなに化けんのかよ…という底の見えなさとか、とにかく個人的にめちゃくちゃ嬉しいことだらけのライブでした。

 生放送などはともかく、ライブ中での小宮さんはとにかく優等生というか、やることは"ちゃんと"やる、まさに黒澤ダイヤです。

 そんな小宮さんがライブ中に優等生じゃなくなる時があって、1つ目が「Wake up,Challenger!!」のとき。

 なんと諏訪さんのお気に入りでセトリに組み込んだ曲だそうですが、曲の激しさに輪をかけて

 "ぜったい消したくないな"

 マイクの設定ミスってんのかくらいの声量で吠えていました。

 今まで自分を育てた景色を"消したくない"

 Reboot、またここから始まるために"消したくない"

 AZALEAだけではなくAqoursとしても何度も潰れてしまったライブを"消したくない"

 これは的はずれなことかもしれませんし、もっと別の、あるいはもっとたくさんの想いがあるのでしょうけれども、あの小宮さんの大声量での"ぜったい消したくないな"は伝えきれない何かを伝えたい気持ちが表れていました。


 もうひとつはDay2のアンコールでのAmazing Travel DNAのラスサビ前あたりでメロディを無視して

 「行きたいんですね!?」

 とワイプ用のカメラに問いかけていたこと。

 こういうライブ特有のアレンジはやっぱりライブでしか味わえなくて沸けますし、降幡さんあたりのお茶目な枠の人が頻繁にやってるテクニックです。

 前述したように小宮さんはステージ上だと本当に優等生なお方なので、ライブでのアレンジなんかは僕が知る限りでは無かったと思います。

 そんな人がここに来て、活動6年を迎えるコンテンツで今なお更新中…?という嬉しさが込み上げてくるんです。

 ユニットとしてのセトリでも、個人のパフォーマンスでも「優等生」から卒業できたんじゃないかな、なんて、ファンとしてとても鼻が高いですし、偉そうに語っちゃいます。


・おわりに

 3人揃っているAZALEAが観たかった。

 それはあまりにも本当にそうだし、何度も言うけれど大前提の事です。
 2人でよかった、なんてことはないです。

 ただ、2人だから見えたこと、感じられたことは沢山あって、3人では無かったということを除けば今まで参加したラブライブ!サンシャイン!!のライブの中でも屈指の満足度です。

 小宮さんのファンとしては、真骨頂であったり、新たな一面とか、DJなんかも見られて本当に気分がいいです。

もともとDJというのは『ラブライブ!』にはなかったものなんですが、私がたまたまDJをしていて、AZALEAがたまたまEDM調の曲だったからやることになって。でも皆さんが受け入れてくれるなら、私はAqoursのために、AZALEAのために全力でがんばりたいなと思いましたし、Aqoursの強みになれるように、DJも精進していきたいなと思います
AZALEAらしさを貫いた2ndワンマンライブ、横浜アリーナに3色の光が広がる(ライブレポート / 写真5枚) - 音楽ナタリー

 Day2のMCでも仰っていましたが、DJは完全に逆輸入のものなんですよね。
 黒澤ダイヤが実はDJ好きみたいなエビデンスはありませんし、内浦で今アツいのはDJ!クラブミュージック!みたいなのは幕間のアニメやドラマCDですら聞いたことがありません。
 小宮有紗さんと黒澤ダイヤが一致しすぎて最初にDJ DIAを見た時はなんの違和感もなかったですけど、改めて考えると絶対におかしい(褒めている)

 逆輸入されたのはDJというコンテンツだけじゃなくて、選曲のセンスとか、会場を見る力とかで、たびたび小宮さんが言っている「みんなの反応がいいからこの曲を」っていうDJの経験値なんだろうなって思います。

 そういう経験値を元にして、グルーヴ感を底上げするために「優等生」ではなくなったと。
 最低で崇高なリズムが好き。

 ともかく小宮さんのオタクとしては満足度9千兆のライブでした。

 もっとこの人を見たい、もっと欲しい、もっと沸きたい!と久しぶりに思えるものです。

 これを読んでくれた方の中にもそんな方が居るのではないでしょうか?

 そんなあなたに朗報です。

小宮有紗BIRTHDAY PARTY 2022
 チケット一般販売のお知らせです。
小宮有紗 BIRTHDAY PARTY 2022 一般発売情報 | 小宮有紗 Official Website

 公演ごとに内容は違うみたいなので確実にDJを拝める保証がある訳ではありませんが、迷ったら両部取るのが吉です。

 最後までご覧いただきましてありがとうございました。

真冬は誰のモノ?

 あけましておめでとうございます。

 Aqours COUNTDOWN LoveLive! ~WHITE ISLAND~、観ました。観ました?

 僕はとても良かったと思います。

 もうすっかりラブライブ!サンシャイン!!1期の傷が癒えてきたころに1期を踏襲したセトリと、1期のキーストーリーを演出したデュオトリオパート。

 デュオトリオパートの順番がDay.1とDay.2とで違ったのは、我らが小宮有紗さんの仕業だそうですね。

私はその(「涙が雪になる前に」からの「未熟DREAMER」の)流れを見たいです」と伝えたら実現した、と。

 さらっと言ってのけましたが、これは一大事なんですよ。

 さる2020年4月8日、 デュオトリオコレクションCD VOL.2 WINTER VACATIONの組み合わせ投票の告知がなされました。

 オタクたちによるカプ厨合戦桶狭間って感じで怖かったのを覚えています。

 僕としては正直どれでもいい(良い意味で「どれが来ても良い」)スタンスだったのですが、推しの投じた一石が勝負を決めたように感じます。

 


 わかる(まあわかる)

 ぐ〜りんぱ待望の曲、望むのはとてもよくわかるんです、が。

 ぐ〜りんぱで組んでしまうと、ほか3組のデュオとの整合性が取れなくなってしまう気がして、僕はついぞこの組み合わせに票を投じることが出来ませんでした。

 まあそんな僕自身のことはどうでもよくて、小宮有紗さんの話をします。

 小宮有紗さんの演じるキャラクターが黒澤ダイヤはであることは今更説明するまでも無いかと思いますが、この黒澤ダイヤ、アニメ作中でも豪快な策士として千歌たちを操りAqoursを再結成させ、果南と鞠莉を復縁させる黒幕を演じていました。

 加えて、黒澤ダイヤが書いたことは現実になる

 組み合わせ投票の告知がされたその日、既にぐ〜りんぱを擁する「組み合わせJ」に決定させていました。

 セットリストの順番までも自らの声で操作して、自分が、ダイヤが見たいと思うものを実現させてしまった。

 いつからなのか、もう初めから、投票が始まる前からライブが終わるまで、キャストもスタッフも全員まんまと乗せられてしまったのだ、誰かさんによって。


 清々しいまでに私利私欲。

 大義名分に隠した自己満足。

 徹頭徹尾の職権乱用、そして誰もが幸せな完全な世界。

 覚えていますか、これが黒澤ダイヤです。

 ここまで黒澤ダイヤにならなくていいのにやってくれました。演じるとかそういうレベル超えてますよ。

 まあ、本当のところどうなのかは誰にも分かりませんし、ただの偶然かもしれないし、そんなことは毛の先ほども考えていなかったのかもしれません。

 でも、いろんな人がいろんな想いを抱いて、その想いが見えない力になって、引き寄せられて運命のように出逢う。全てに意味がある。見えないだけで、きっと。そう思えば、素敵じゃない?
 ということです。

 真冬はお前のモノや、黒澤……。



 そんな小宮有紗さんの27歳をお祝いする2月5日、Zepp東京で開催されるBirthdayイベントはまだまだ申込受付中です。
komiya-arisa.net


 完全な世界を創った黒澤ダイヤによるLoveLive! Sunshine!! Kurosawa Dia First Solo Concert Album 〜WHITE FIRST LOVE〜から、「Perfect SEKAI」のMVはこちら。

twitter.com

火の無い所にオタクは沸かぬ


 2/5、小宮有紗さんのお誕生日当日にZepp東京にて行われた「小宮有紗 BIRTHDAY PARTY 2020」、行ってきました。

 なのでその感想文を書きます。


 と、その前に。

 以前書いた記事からかなり期間が空いてしまったし、Aqoursの5thライブだったり7月にもソロイベントがあったのにその記事も書いてないので、その弁明とかしちゃおうかな。


 Aqoursの5thライブ以来、満たされすぎたあまり気が抜けたような感じになってしまって。いわゆる燃え尽き症候群みたいな。

 あんなに素晴らしい、完成系みたいなライブを見せられてこれ以上言うことあるか?とか、「これを見たお前の心の中にあるのがサンシャイン!!だ」とか思ったりして。

 それと、「それでもなにか書かなきゃな」って義務感めいた気持ちを持ってしまった自分に嫌気が差したので、色々重なって書くのも読むのも、ブログそのものから離れてしまっていました。

 言い訳終了!


 そんなこんなで燃え尽き症候群みたいなのになったせいかアニサマにも行かなかったりバンナムフェスにも行かなかったりで。

 今回のバースデーイベントはおおよそ半年ぶりくらいのイベントでした。半年ぶりに見る生の推し、非常〜〜〜に良かったです。顔がいい女性は正義だな〜。

 イベントの流れとしては、
・ライブパート
トークパート
・ゲームコーナー(兼プレゼント抽選会)
・フォトセッション
・DJパート
・退場(お見送り)

 という感じでした。

 小宮さんのイベントって、良くも悪くも形骸化されてた印象だったんですよね。
 トークやってゲームやってプレゼントやって何曲かライブで終わり!みたいな。

 でも今回で9回目のイベントということもあってか、かなり趣向を凝らしてきたなって思いました。



 で、


 僕がすごく「よかったなぁ〜」って思ったのが、DJパートなんですよ。


 ご存知、小宮有紗さんは昨年10月「SUPER OMOTENASHI BEATS vol.1」の発売を以てDJデビューを果たしておられるのですね。

omotenashibeats.jp


avex.com


 正直あまりよくわかってないんですが、「日本の誇るアニメ・アニソン文化をもっと楽しんでもらうための環境を作ろう!まずCD作った!アニクラやるから来てね!」みたいな感じなんですかね。

  小宮さんの顔面は日本人が見てもいい顔をしてますが、かなり外国人ウケがいいみたいですね。そういうのも起因しての起用なのでしょうか。

 それはひとまず、僕はこのDJってやつがなんなのかよく分かってないんですよ。
 有名なDJって言ったらDJ KOOさんとかがいらっしゃいますけど、この人が何してるかって全然説明できないです。
 DJについての知識が「ヘッドホンを耳に当てて円盤とかを前後にスクラッチしながらキュッキュッさせてる人」くらいしかありません。

 失礼ながら、自分が歌ったり演奏するわけじゃないし、なんかそんなのって機械の再生ボタン押して終わりでしょ…?って思ってました。

 アニクラってやつもかれこれ6年くらい前に1回だけ行ったことがあったんですが、オタクの知り合いも一緒にいたしまあまあ楽しいな〜とは思いつつ、2回目はもういいかなってなっちゃったんです。そもそも全然アニソン知らないし。

 とまあ、推しが絡んでいるとはいえ「よくわからないもの×よくわからないもの」のイベントに対してそこまで食指が動かず、これまで何度か開催されていたDJイベントも不参加でした(仕事だったし)。

 なので今回のバースデーイベントで初めてDJ小宮有紗を体感したのですが、すっごい良くて。

 セトリ(DJでもセトリっていうのか?)はこんな感じ。インターネットで検索したやつなのでタイトルとか順番とか違ってたらごめんなさい。

パパパ
君じゃなきゃダメみたい
Guilty Night, Guilty Kiss!
Be The One
only my railgun
極上スマイル
EZ DO DANCE -K.O.P. REMIX-
恋は渾沌の隷也
いけないボーダーライン
ミラクル☆パラダイス
ヒカリイロの歌
トゥッティ!
Climax Jump


 僕、斉藤朱夏さんの「パパパ」をこのイベントで初めて聴いたんですよ。
 知らない曲なんだけど知ってる声で、いい曲だな〜好きだな〜ってなってなっちゃいました。


 終演後の僕「朱夏ちゃんの曲初めて聴いたんすよw」
 オタク『200万回再生されてる曲なのにマジ?』


 僕のアニソンの知識なんてこんなもんです。

 このDJパート、てっきりOMOTENASHI BEATSに収録されている曲から数曲ピックアップしてくるのかとばかり思っていたので、思ってたよりちゃんとDJやってるんだなって思いました。DJへの知識が無さすぎるのに「ちゃんとやってるな」って思うのはおかしいですけど。


 通常のライブって、いくら高まる曲が来ても曲間と曲間に一瞬でも落ち着ける余裕があるじゃないですか。
 でもDJ形式だとサビまで終わって興奮冷めやらぬままシームレスに次の曲のイントロに繋がるから休む時間が無くなっちゃうんですよね。


 イベント当日、コロナウイルスの影響もあって観客にはできるだけマスクの着用をするように告知が出ていました。



 僕は馬鹿正直なので、ライブ中もDJ中もずっとマスクしてたんですよね。
 これがもう暑いのなんのって。

 このマスクのせいかは不明ですが、小宮さんがでっかい機材をいじって曲を調節したり、ぴょこぴょこ跳ねてリズムとってたり、自分が歌っていない曲の振り付けなんかもやってくれたり、オタクのことバチバチに煽ってたり。

 そういう姿を見てて、気づいたら僕も声を出してたし、次第に全身に熱を帯びていくのを感じました。



 ──やばい、めちゃくちゃ楽しいぞ……


 誰かの熱にあてられようが、熱に浮かされていようが、熱いのって、楽しいんです。


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私、夏好きだなぁ。なんか熱くなれる。 ラブライブ!サンシャイン!! #13「サンシャイン!!」


 
 焼かれるように熱かった。でももっと熱くなれる。楽しめる。


 「極上スマイル」のあたりから完全に汗だくになってました。OMOTENASHI BEATSの中でもこの曲お気に入りなんですよ。

 DJに煽られて飛んだり跳ねたり声出したり、知らない曲でも曲に合わせて気持ち悪い動きでユラユラ揺れてみたり、それが最っ高〜〜〜に気持ちよかったんだよなあ。


 何故かふと、昔の自分を思い出したんです。
 Aqoursを、小宮有紗さんを好きになる前の自分のこと。


 ラブライブ!サンシャイン!!を通じて僕のことを知ってくれた人は比率で言えば多いと思うのでご存知ない方もいるかと思いますが、僕はかつて「女性声優さん単推し!」とか、色んな地下アイドルが出るライブに足繁く通ってみたりとか、アイドルにガチ恋したりとかしてました。
 いわゆるピンチケさん気質なんですよね、本質が。楽しかったらOK!みたいなね。

 じゃあなぜAqoursではそうでなかったかというと、個人的にAqoursの曲って大声出したり騒ぐような曲ってそんなに無いと思ってて、物語に則してる面が多い分その部分をインプットして処理するのに必死すぎて基本的に地蔵にならざるを得ないんですよ。理性がピンチケを抑えるんですね。


 そんな僕の本質が本質なだけに、昔好きだった曲とか聴くとやっぱり身体が反応してしまうんですよ。


 【ミラクル☆パラダイス

 ミラパラ新規と呼ばれた世代。僕はi☆Risのオタクだった時期もありました。当時は澁谷推しだったなあ。

 昔みたいなライブの楽しみ方と、昔好きだった曲。なんかすごく懐かしくて、楽しかった。

 うわ〜〜〜走馬灯〜〜〜昔の俺元気か〜〜〜!!!って思いながらミラクルパラダイッ!って叫んでたら、次の曲はこれまたとっても聴き覚えがある声で、しかもその曲は最近、いや、会場に向かうあいだずっと聴いていた曲で。



 【ヒカリイロの歌】

 

 この日で1番の声出たし、たぶん周りのオタクもすごい声出してた。マジで暑かった。ヒートテックなんか着てこなきゃよかった。

 
 僕は東京公演しか参加していないので大阪公演の内容は一切目に入れていませんでしたが、大阪でもセトリに組み込んでたみたいですね。

 ヒカリイロの歌を擁する鈴木愛奈さんの「ring A ring」は発売日が1月22日。

 小宮有紗さんのBIRTHDAY PARTY大阪公演は2月2日。

 発売わずか10日でセトリに入れてくるのマジ?貴女そんなにフレキシブルなことするの……?


 DJの強みってこういうところもあるんでしょうか。歌唱ありのイベントだと事前に練習とかも必要になりますが、「これいい!」って思った曲を比較的短期間で準備し使うことが出来る。その場に来てる客に合わせてタイムリーな選曲ができる。

 なるほど、そう考えるとDJってすごい。

 
 すげえ!楽しい!って思ってるうちにDJパートが終わって、小宮さんの総括トーク

 DJを始めたきっかけみたいな事もお話してくれました。

 意訳になりますが、「みんなソロデビューとかしていくけど、私は自分のことを客観的に見てもやっていける自信が無いのでソロは無理です、って断ってました。でも、ソロは無理でもなにか他に楽しそうなことがあったら是非やりたい。と言っていたらDJになってました。」と言ったことをお話してくれて。(都合いいように捻じ曲げてたらすみません、指摘してください。)

 小宮さん、できることはできるっていうし、できないことはできないって絶対にはっきり言ってくれるんですよ。

 楽しそうなことがあったらやりたい、とか、新しいことに挑戦してみたい、とかもしょっちゅう言っていて、好奇心旺盛なのもあるし、何事にも貪欲な方なんですよね。

 そんな人だから、女優なのに声優になった。DJにもなった。その好奇心と貪欲さで、実際こうして楽しませてくれている。

 対して僕は「よくわからんDJかぁ」と、考えることを辞めて、欲を抑さえて、斜に構えてわかったフリをして好奇心を殺してた。

 歌ったり、お芝居をしたり、表現している時には寄り添うように感受すればいい。

 DJとしてフロアに向き合う時にはめいっぱい盛り上がっていい。


 昔の楽しみ方がこうだった、とか、今の楽しみ方はこうだ、とか。そういう括りは要らなかった。

 今の小宮有紗さんという存在は、どっちの在り方も許してくれる。どっちも無かったことにはならない。

 僕ももっと意味不明そうな事にはリスクを考えずに突っ込んでいいし、欲張っていい。楽しいことをもっと探していいんだ。


 小宮さんが新しいことに挑戦してくれたら、もっともっとこの人のことを好きになれる。

 
 燃え尽きたと思っていたけれど、完全に再燃した。
 「フロアを沸かせる」みたいな表現がありますけど、僕の中ではまた火が着いてグツグツと沸き立っちゃいましたね。


 鉄は熱いうちに打て。

 推しは推せる時に推せ。

 なので



reanimation.jp


 リアニこと【Re:animation 14】、3/29にDJ小宮有紗、出演!!!!!!!!!


 酒!


 肉!!


 推し!!!


 楽しくないわけね〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜だろ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!


 カチ上げていきますわよ〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!!!




 同日の同ステージに元推しも出演するんだけど、これも「無かったことにはならない」ってやつなんだろうなあ。




(2020.2.26追記)

 この記事を公開してからおよそ20時間後、リアニ公式からリアニ延期のお知らせ。

 なんだ?デスブログか?

 とても楽しみにしていたので残念ですが、推しに万が一のことがあったら嫌なので早い段階での決断、及び告知に感謝。

 煮え切らんな〜と思いながらCYaRon!ちゃんのために福岡まで行って来ましたが、オタクの皆さんコロナ上等!みたいな感じで楽しんでて凄かったです。コロナ上等!

AZALEAを見てください

 皆様お久しぶりです、瀬口ねるです。

 ユニット対抗全国ツアーの決勝に向けてなにかひとつ書こうかな、と思っていていつの間にかもう5月になってしまいました。(なんて言っていたらもう明日から6月です)

 というのも、普段ブログを書くにあたってパソコンを使って文字を打っていたのですが、今年の1月にそのパソコンが故障してしまいまして。
 スマホで書けばいいだろ!と思われるかもしれませんが、老人なので向いてませんでした。

 本来ユニット対抗全国ツアーに向けて書こうと思ったものと、最近感じたことがなんかうまいことリンクしたので、今日というこの日、「GALAXY HidE and SeeK」の発売2周年記念の日に書き記しておこうかなと思います。

 今回のテーマは「地元見聞録」みたいな感じです。じもあい!

 それでは、よろしければ最後までお付き合いくださいませ。

花山公園つつじの名所


 突然ですが皆様「上毛かるた」をご存知でしょうか。
 群馬県出身の声優さんを応援していると、高確率でイベントやラジオなとで言及されます。

 群馬県にゆかりのある歴史上の人物や土地・観光名所などがかるたの札になっていて、これを遊ぶと群馬について学べるという知育玩具なのです。

 この「上毛かるた」、群馬県民は9割知っている、というか、小学生の頃にほぼムリヤリ履修させられます。6年間かけてじわじわと同じ文言を聞かされるので、思い出すのに時間はかかるものの全ての読み札を覚えている県民がほとんどなのではないでしょうか。

 覚えている、とはいえ、あくまでただの情報として頭に入っているだけで、必ずしもそれが知識として使えるものであるかは別なんですよね。


 なぜいきなりこんな話を始めてしまったのか。
 1か月ほど前の話になります。

 「今年はつつじが見たい」

 AZALEAのオタクは、伊豆の国パノラマパークへつつじが見に行きたいと思い立ちました。
 しかし開花のタイミングと沼津方面へ遊びに行くタイミングが合わず、断念せざるを得ませんでした。

 「沼津じゃなくても、群馬で見られるところを探そう」

 伊豆の国パノラマパークのつつじ祭りは有名らしく、1度見ておきたかったのですがタイミングが合わないのなら仕方ありません。代替案を採ることにしました。

 果たして群馬につつじが咲いてる所なんてあるのか……と疑いながら検索ウインドウに「群馬 つつじ」と打ち込みます。

 『館林市 つつじが岡公園

 あるやん!!!
 絶対これつつじ咲いてる!看板に偽りなし!

 思うが先か、家からつつじが岡公園までのルートを検索します。

 『群馬県館林市花山町3278』

 これがつつじが岡公園の所在地。

 花山町。

 この文字列を見た瞬間、脳の奥にあった「ただの情報」が繋がりました。

 これが先程紹介した「上毛かるた」の絵札と読み札なんですが、めっちゃ書いてますね、つつじの名所。いや、でも名前違うじゃん…

 このつつじが岡公園(=花山公園)、日本一のつつじ園なようです。
 なんと、ユニット対抗戦で1位を取ったAZALEAをお祝いするに相応しいロケーションじゃあないですか。

 つつじをゆっくり鑑賞するなんて初めてです。
 一体どんな花なんだろうな〜。


 園内の様子。




 綺麗に咲いていました。
 なるほど、これがつつじか……。
 花に疎いのでチューリップとバラとタンポポくらいしか知りません。

 さらに園内を散策していると、こんなものを見つけました。

 宇宙ツツジ〜〜〜〜〜〜??????
 そんなのさぁ〜〜〜〜〜〜〜………



 "こういうこと"じゃあないっすか………

 なんの偶然なのか、いやきっとこれは運命の導きだったとしか思えません。

 ラブライブ!サンシャイン!!を観て、GALAXY HidE and SeeKと出逢って、AZALEAが優勝して、だからつつじを見に行こうと思い立った。
 このタイミングだったから意味があったことなんですよね、きっと。


 つつじが岡公園につつじを見に行って以来、やけにつつじの花を見かけるようになった、というか、名前と花の容姿が一致するようになったので、意外と色々なところに咲いてるんだなということに気づきました。

 そのへんの家の垣にも咲いてるし、スーパーとかの駐車場とかにも咲いてたりして、でもずっとここにあったもの。
 知らなかっただけ、気づかなかっただけで、ずっと咲いてたものなんですよね。

 知ってみることでものの見方が変わること、本当に大事なんだと。
 こういった気づきもラブライブ!サンシャイン!!がさんざん教えてくれた事でした。

 館林市高崎市からは近いとは言えず、地元かと言われたら地元じゃないんですけど、群馬のことがちょっとだけスキになれるみたいな体験でした。


AZALEAを見てください

 改めましてユニット対抗全国ツアーの優勝おめでとうございます。
 そしてなによりも全公演お疲れ様でした。

 ユニットごとのイベントだったので、自分の推しメンはもちろんのこと、他メンのいい所とか意外な仕草が顕著に見えてドキッとする瞬間も多々あったのではないでしょうか。

 沼津公演で通路を通った高槻さんが予想してたより一回りくらい小さくて、思わず好きになっちゃいましたね。

 オタクはチョロいです。



 きっかけらしいきっかけは思い当たらないのですが、ユニットファンミーティングを通して格段に好感度が上がったのは諏訪ななかさんです。

 購入者からの評判がよかったのと、興味本位で購入した「諏訪ななかさん写真集「7ct-Nanacarat-」(¥3456)」の効果も大きいです。

 僕の中で抱いていた諏訪ななかさん像は、"冷静沈着な頼れるお姉さんポジション"みたいな人だったんですよね。

 よく見てみたら意外とフニャフニャした人だったし、格好いいイメージを持っていただけにそのギャップに抗えず陥落。

 僕は小宮有紗さんのオタクなので時々ソロイベントなどにも遊びに行きますが、ファンミーティングの時はめっちゃ小宮さんでしたね。すごいやりたい放題でした。

 小宮さんのことをあまり知らなかったという知人などから話しを聴くと、やはりギャップが大きかったみたいです。かわいい面も沢山あるのでもっといっぱい知っていって欲しいです。

 ユニットファンミーティング、こうして自分の推しメン以外にも目を向けられること、いい所に気づける機会を与えてくれたのも素敵なイベントだったなと思いますね。

 何故こんなことを言い始めたかといいますと、ユニット対抗戦の千秋楽のすこし前あたり、AZALEAの優勝を確信したあたりでちょっとアンケートを取らせてもらって、その結果について物申してやろうと奮起してブログを更新しようと思ったからなんです。

 もうとっくにファンミーティング終わっちゃいましたけど。

 サンプル数が少なすぎますし、このアンケートの結果が全てではないなんてことは分かっていますけれど、それでもやっぱりいろんな人にちゃんとAZALEAのことを見て、知ってもらって、その上で優勝してもらったほうが気持ちいいじゃないですか。

 という気持ちで投稿しようとしたのでした(過去形)。


 そもそもAZALEAって「恋」をテーマにしてるユニットですけど、CYaRon!だってGuilty Kissだって恋をテーマにした歌、うたってますよね。

 個人的にAZALEAってサブテーマみたいなものに「見る」という要素が入ってるんじゃないかと思っていて、

「トリコリコPLEASE!!」は「私を見つめて欲しい・気づいて欲しい」という欲望。
「ときめき分類学」は「私と見つけて欲しい」という所望。
「LONELY TUNING」は「私はあなたを探している・見ているよ」という想望。
「GALAXY HidE and SeeK」は「私を見つけて欲しい」という希望。
「INNOCENT BIRD」は「私だけを見て欲しい」という願望。
「卒業ですね」は「私を見て欲しかった」という失望。

 個人的にAZALEAに抱いている像はこんな感じでしょうか。


 前半の項目でも書きましたが、ちゃんと見て、知って、気づくことって大切なんですよね。

 今までずっと変わらずにあったものの価値は自分の見方次第で変わってきます。
 名前すら知らなかったそのへんの花も、今ではちゃんとわかります。

 最近、沼津市ディスティネーションキャンペーンのキービジュアルが話題ですよね。

見つけに来てね
わたしたちのたからもの。

 Aqoursのみんなにとっての宝物であったり、沼津を訪れる"わたしたち"の宝物であったり、色々な捉え方ができるでしょう。

 誰かにとって取るに足らないものでも、自分だけが特別に思える、そういった出逢いがあるかもしれません。

 「GALAXY HidE and SeeK」って、畑亜貴先生曰く"誰も見つけてくれない自分をあなたが見つけてくれる"ということらしいんですよね。

 沼津に限らず、普段の生活の中にも何があるか分からないし、何も無いかもしれないけれど、気づいて、見つけるのもあなた次第ということなのでしょう。


 だから僕は今日も1日「GALAXY HidE and SeeK」。

肯定の物語


 皆様こんばんは、瀬口ねるです。

 ラブライブ!サンシャイン!! The School Idol Movie Over the Rainbowが公開されまして、何か書けたらいいなって思ったのでなんか書いていきます。


肯定の公式


「明日もきっと、輝いている。」

 劇場版が作られるにあたって、一番最初にでてきたキャッチコピーだったでしょうか。


「きっと明日も輝ける!」


 劇場版の正式なキービジュアルに使われてる文はいつの間にかこっちになってましたね。

 細かいニュアンスとか、いわゆる解釈と言うやつはもうほんと人それぞれだと思いますが、僕は前者の方が好きです。

 ともあれ、この2つのキャッチフレーズの本質に大きな差はないでしょう。

 この言葉って額面通りに捉えると「明日は明日の風が吹く」みたいな、すごい無責任に見えちゃうんですよね。

 でもこの映画って「ラブライブ!サンシャイン!!」で、Aqoursが歩んできた軌跡があるからこそ無責任にならなくて、たったこれだけの文なのにものすごい情報量があるんです。

 というのも、ラブライブ!サンシャイン!!は「肯定の物語」だからなんですよね。

 ラブライブ!サンシャイン!!の1期と2期、彼女たちAqoursの9人は、個人単位であったりAqoursという団体であったり、様々な問題や困難に直面し、打ちのめされ、それさえも肯定して自分たちの糧にしてみせました。

 辛いことも楽しいことも色んな過去があったけど、全部含めて輝くイマがある。「だから」明日もきっと輝ける。
 
 劇場版のイタリアパートでは、鞠莉がお母さんに認めてもらうことが勝利条件でした。
 ライブの後、「パパやママが私を育ててくれたように、Aqoursが私を育てた」と鞠莉は言いました。

 最後の「Next SPARKLING!!」では鞠莉のお母さんが6人のAqoursのライブを見に来ているわけですが、6人のAqoursを見定めるということは「鞠莉を育てたAqours」を見定めるということで、ここで6人がヘマこいたら今度こそ鞠莉はお母さんに連れ戻されてしまうでしょう。

 ところが鞠莉たちは無事にその場から旅立ちました。
 これは「鞠莉を育てたAqours」を認めたということ、鞠莉の過去とイマを認められたからこの先もきっと大丈夫だろう、と送り出せたのでしょう。


 まあ前置きはこの辺にしておいて、ラブライブ!サンシャイン!!って、すごく難しいですよね。
 何十回繰り返して何度も見ているはずなんですけど、結局分かった気になってるという域でしかなくて。

 同じアニメを見てるはずなのに全然違う意見になったり、仲のいい人なのに全然言ってることが分からなくて何言ってんだこいつ?って思うこともありますし、僕もそう思われてるんだなって痛感します。

 結局のところ、各々で求める「解」が違うのでそりゃ違うわガハハって感じなんですよね。

 じゃあなんでこのコンテンツはこうもいろんな人の心を掴んでいるのか、と。

 なんとなくですけど、「解」を求めるのではなくて、解を求めるための「公式」を知れるのがラブライブ!サンシャイン!!なのかなって思います。

 サンシャイン!!のアニメ劇中、あらゆる問題が手を変え品を変え色んなアプローチでAqoursの前に立ちふさがっていましたし、物語にも難解な部分がいくつもありました。

 一見よくわからんなって話でも、あとから明かされたストーリーを見て「なるほど」と何度膝を打ったか覚えていなくて、でも裏を返せば今までの話の中に物語を読み解くヒントが符号的に転がっているはずなんだ、って。

 2期になってからは、2期の話そのものよりも今まであった話を意識するようになりました。
 放送当時に毎週感想ブログなんて書いていましたが、ご覧頂いていた方はなんとなく「こいついつも1期とかの話してんな」みたいなこと思ってたんじゃないでしょうか。

 今更ながらクソドヤりたいのが、果南がフォーメーションノートを隠してしまった理由を自分なりに考察したら翌週そのまんまのことがテレビで流れてきてほら見ろ〜!ってなったことですかね。

 ともあれ、僕は僕なりにサンシャイン!!の物語を楽しむために「意味の無いことは無い」「全てに意味がある」という「肯定の公式」を使うことにしたのです。

 なんかよくわからん宗教みたいになってしまったので改めてざっくり言うと、ヨハネのオタクが自分に起こった不運を「これもリトルデーモンの証だから」と言ってしまうのと同じような感じです。ちなみにラブライブは宗教です。


 こうして得た公式を自分の人生に当て嵌めたとき、なにかちょっとだけ視点が変わって新しいことに気付く。
 それこそ人生観の変わるような気持ちになる。そして思う。「ラブライブ!サンシャイン!!ってすげぇ」って。
 これが共通認識になっているところは少なからずあるのではないでしょうか。


 劇場版の中の千歌たちAqoursや、それを観た僕達も、たぶん「心の中に生き続けていく」想いを感じたと思うんです。

 千歌たちはスクールアイドルじゃなくなったってこの先まだまだ人生は続いていくし、僕達だってサンシャイン!!のコンテンツが全部幕を下ろしたとしても人生は続いていく。

 サンシャイン!!が、Aqoursが無くなったら自分には何も無くなってしまうのか、って言うと、それは違うんですよね。

 サンシャイン!!で得た自分だけの気付きや生き方は、自分の人生でこれからも役に立てていけるはずなんです。

 人生って往々にして思い通りにいかないことばっかりで正直全然面白くないんですけど、そんな中にもわずかに散らばっている符号とかを「公式」に当てはめて、どうにか自分だけの意味を見出していくんです。

 劇場版で言えば、統合した先の学校で分校にされてしまうという未来が待っていた。
  結果的にAqoursはライブを成功させて、「分校」の文字をバツで消し、「浦の星女学院」として自分たちの在り方を確立した。

 世情とか未来みたいな規模の大きい情勢みたいなのは変えられないかもしれないけど、視点を変えることでちょっとした明日は変えられるかもしれない、という考えが持てるようになりました。
 自分の人生を愛せるのは自分しかいませんからね。


 ラブライブ!サンシャイン!!って常にこちらに問いかけてくるようなヤバいコンテンツなんですよ。

君のこころは輝いてるかい?

とか、

「待っててくれるかい?」

とか、

「こたえてくれるかい?」

とか。

 だから、こっちとしても常に答えられるように、手を変え品を変え繰り出される問題に対して解を出せるような公式をいくつか持っていたいんです。
 僕にとってはそれのひとつが「肯定」というもので、これさえあればこの先もきっと大丈夫だなって思えるんです。

 サンシャイン!!を経て、色んな人生の楽しみ方をしている人を見かけるようになりました。と言うより、その存在に気づいたという方が正しいんでしょうか。

 写真を撮ったり、創作活動を始めたり、運動を始めたり、よくわからんグッズで遊んだり、とにかく「自分なりの楽しみ方」をしてる人がまぁ多いこと。
 その人たちは間違いなくサンシャイン!!から何かを受け取って、今しかない瞬間を全力で楽しもうとしている。すごいですよね、本気になれる人は尊敬に値します。

 僕がラブライブ!サンシャイン!!から得たものとか、読み解けているものがどれだけかは分かりませんが、僕の人生において間違いなくプラスに作用しているので多分これでいいはずなんです。

 皆様におかれましても、自分だけの公式が見つかりますよう。

Aqours 4th LoveLive!~Sailing to the Sunshine~ 呪いは解けたかい?

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 皆様こんばんは、瀬口ねるです。

 ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~、どんな2日間になったでしょうか。

 ちまちまと、もしかしたら長くなるかもしれませんが感想などを綴っていこうかと思いますので、よろしければお付き合いくださいませね。

Sailing to the Sunshine

まずはセットリストを。

《オーケストラTIME OPENING》
●Main theme of Lovelive! Sunshine!!
1.君のこころは輝いてるかい?
2.Step!ZERO to ONE
3.恋になりたいAQUARIUM(Day.1)
3.HAPPY PARTY TRAIN(Day.2)
4.少女以上の恋がしたい
5.青空Jumping Heart
《オーケストラTIME①》
●想いのかけら
●夢を飛ぶ紙飛行機
●Hello New Season!
●Let's enjoy together
●前回のラブライブ!サンシャイン!!
6.決めたよ Hand in Hand(Day.1)
6.ダイスキだったらダイジョウブ!(Day.2)
7.Waku-Waku-Week!
8.G線上のシンデレラ
9.想いよひとつになれ
10.聖なる日の祈り
11.ジングルベルがとまらない
《オーケストラTIME②》
●FRIENDSHIP
●海の音を探して
●ONE FOR ALL
12.MY舞☆TONIGHT
13.待ってて愛のうた
14.未熟DREAMER
《オーケストラTIME③》
●ありがとう、そしてサヨナラ
●起こそうキセキを!
15.MIRAI TICKET(Day.1)
15.WATER BLUE NEW WORLD(Day.2)
16.キセキヒカル
17.Awaken the power
18.No.10
19.ユメ語るよりユメ歌おう(Day.1)
19.勇気はどこに?君の胸に!(Day.2)
EN1.未来の僕らは知ってるよ
EN2.WONDERFUL STORIES
EN3.Thank you, FRIENDS!!

 めちゃくちゃ曲数歌ってますね。たしか3rd福岡公演Day.2も22曲だったと記憶していますが、3rdに比べて体感時間がものすごく早かったです。
 お写真を撮る時間がないほどに着替えが忙しかったようですが、そんな中でもバッチリ最高な可愛さに仕上げてくれたメイクさんやスタイリストさんにも感謝です。

 1stと3rdがアニメをなぞった展開だったのと、2ndがアニメの文脈に囚われない構成だったので今回の4thも文脈とは切り離されたライブになるかなと思っていました。

 その予想はいい意味で裏切られ、アニメ1期2期、そして1st/2nd/3rdの総ざらいのようなAqoursがギュッと詰まった面白いセットリスト。
 もっと言うならストーリー性すら感じてしまいました。

 まずはじめに現れて披露してくれた【君のこころは輝いてるかい?】、【Step!ZERO to ONE】。

 2016年1月11日にメルパルクホールで開催されたAqoursのはじめてのライブイベント「ラブライブ!サンシャイン!!Aqoursスペシャル課外活動 みんな準備はできてるかい?~せーのでSUNSHINE!!~」でのライブパートの幕開けと同じ2曲ということで、彼女たちのはじまりの時、長いようで短いようなこれまでの道のりがまるで走馬灯のようにフラッシュバックした方も多いのではないでしょうか。

3曲目はナンバリングタイトルから【恋になりたいAQUARIUM(Day.1)】、【HAPPY PARTY TRAIN(Day.2)】。

 1stシングルから2ndシングルの流れで「このライブは時系列に沿っていくのかな?」となったDay.1。
 まさかナンバリングタイトルを入れ替えてくるなんてファンミ2017かよ~!となったDay.2。

 投票によって明確にセンターが決められたこの2曲。
 曜と果南、斉藤朱夏さんと諏訪ななかさんにはどんなふうに光の海が見えていたんでしょうね。
 
 私的なお話になってしまいますが、果南がセンターを取ってからの諏訪ななかさん、自信に溢れた立ちふるまいを見せてくれるようになったのが本当に好きで、そんな彼女が引っ張っていった2ndツアーは人生最高のシーズンだったんです。
 なので【HAPPY PARTY TRAIN】を観ると、それまで観てきた【HAPPY PARTY TRAIN】全ての想いが乗っかって毎回強い曲になっていくんですね。勝てん。

 ステージ演出とかもすごくて、水の都っぽいステージ構成なのも劇場版の舞台がイタリアだからかな?とか思ったり。
 今回は花道が発光するものだったので、【HAPPY PARTY TRAIN】の大サビ(通称:果南レール)で花道全体が虹色に光る枕木を模して光っていたのが良かったです(語彙)(2階席だからよく見えた)。

 次に【少女以上の恋がしたい】。
 これは2ndツアーで初お披露目となった楽曲ですが、2ndツアー内だとこの曲の後に学年曲/デュオトリオ曲が組まれており、どちらにしても逢田梨香子さんが抜けてしまうので9人全員での完全版はファンミーティング2017の札幌公演でしか披露されていなかったですよね。たぶん。参加してないイベントの情報はあまり知りません。
 例に漏れず僕も少女以上の恋ができずにいたのですが、今回ようやく完全版が聴けたので1年越しに成仏できました。
 アニメ2期からファンになったよっていう方も絶対にいると思いますし、ここで完全版が披露されて本当に良かった。

 
 5曲目は【青空Jumping Heart】。
 【少女以上の恋がしたい】からシームレスに、親の顔より観た映像がスクリーンに。
 アニメ1期の主題歌ということもあり、国内外問わず色々なライブで披露されていますね。Aqoursのなかで最も知名度のある曲ではないでしょうか。
 
 ここまでの5曲で一旦お着替えタイム。
 Aqoursのはじまりの曲、2nd/3rdシングル、そして1期主題歌と、彼女たちの黎明から日が昇るまでを感じさせるパートだったと思います。


 オーケストラTIME①を挟み、学年曲のターンです。
 
 【決めたよ Hand in Hand(Day.1)】【ダイスキだったらダイジョウブ!(Day.2)
 【Waku-Waku-Week!
 【G線上のシンデレラ】 
 の3曲が立て続けに披露されました。

 【決めたよ Hand in Hand】にて、初めて制服で歌って踊るAqours(2年生)を観られたのは貴重でしたし嬉しかったですね。眼福。

 2年生、1年生、3年生のAqours加入順に歌われ、ひとつになったAqoursが9人で歌う【想いよひとつになれ】。
 双眼鏡の民なのでいち早く観てしまったんですよ。
 ステージ上にピアノが出てきたときはさすがにあのときのこと、1stライブのことを思い出してしまいます。思い出すなという方が無理。

 あえて言い方を選ばないで書きますが、【想いよひとつになれ】って僕たちにとっても「2度と観られるかわからない曲」「でも観たい」「いやでも逢田さんが…」というジレンマはあったし、逢田さん自身も完全にプラスであの日を終えられたわけではないじゃないですか。

 【想いよひとつになれ】、すごくいい曲ですよね。
 Day.2でこの曲を歌い終えた逢田さんが涙ながらに、でも笑顔で「この曲楽しいね」って言ってくれたことに救われました。
 逢田さんはあのとき以来この曲を楽しいと思えていなかったのか、ただのオタクである僕には想像もつきませんが最終的に笑顔で「楽しいね」って言えていることが何よりですよね。

 1stでの出来事は後日の生放送かなにかで「梨子ちゃんが降りてきて引いてくれたのかな」なんて仰っていました。
 今回の4thでは、アニメの世界では成し得なかった9人での【想いよひとつになれ】を現実の世界で実現させた。
 アニメではできなかったこと、あの曲を歌えなかった梨子が、今度は逢田さんを通してやっと9人で歌うことができた。
 キャラクターとキャスト、お互いがお互いの手を取り合って、二人三脚で歩んでいる素晴らしい関係だなって思います。


 続く10、11曲目はAqoursからの一足早いクリスマスプレゼントで【聖なる日の祈り】【ジングルベルがとまらない】。

 ランプを持って花道を行進しながら歌ったり、トロッコに乗って歌ったりと「Aqours冬休み課外活動~みんなでシャンシャン Aqoursミニライブ2016~」のときとはまるで違う演出になっていて本当に素晴らしかった。
 お衣装の水玉模様もちょっと雪っぽく見えていい感じでしたね。

 ここの「一足早いクリスマスプレゼント」っていうのが伏線だったことに気づくのはもう少しだけ先のこと。

 秋の日はつるべ落とし。
 日の出を過ぎ、日脚も早く夜の帳が下ります。


 オーケストラTIMEのときスクリーンにはアニメのダイジェストが投影されていて、これにもちょっとしたテーマがあったっぽい感じですね。
 Day.1のオーケストラTIME②でほんのりそれに気づき「幼少期のシーンがピックアップされているということは【HAPPY PARTY TRAIN】かもしれない」なんて予防線を張っていたのですが、完全に無意味でした。

 12曲目は我らが黒澤姉妹のダブルセンター曲【MY舞☆TONIGHT】。
 なるほど、夜の帳が下りたならここからは夜のターンだな。

 待ちに待った、というか、誰もが望んだであろう2期「#3 虹」での衣装再現。花魁モチーフのお衣装で登場です。
 
 この「花魁」についてちょこっと考察したものがあるので、ぜひそちらもご覧いただけますとサマステに参加せず記事をまとめる道を選んだ過去の僕も報われます。
segnel.hatenablog.jp

 「花魁」というと一見してきらびやかなイメージがありますが、遊郭には凄惨な歴史的背景があるのも事実。
 実際に炎も出てましたけど、燃えるように真っ赤に染まった東京ドーム。
 先日親愛なる友人と吉原遊廓の跡にある吉原神社へ足を運んだのですが、この曲の持つ「火」のイメージや「花魁」というものの意味に改めて考えさせられました。
 もし機会がありましたらぜひ吉原神社へ足を運んでみてください。

 続いて【待ってて愛のうた】。

 僕の中では「恋を知らない少女が恋に恋するラブソング未満のセミラブソング」という認識のこの曲ですが、なにせお衣装がよろしくなかった。

 
 「待っててくれるかい?」
 「信じてくれるかい?」

 隔絶された箱庭の中で生き、あるいは生涯を終えた遊女を模した装いで問いかけてくる。

 実際Aqoursの皆さんは遊女ではないのでこんなに辛い気持ちにならなくていいはずなんですけど。


 和装パートの締め、14曲目は【未熟DREAMER】。
 3rdのあと、漠然と「衣装も再現しつつ【MY舞☆TONIGHT】→【未熟DREAMER】が観たい」なんて思っていたんですが、手を変え品を変え、より強いかたちで実現してしまって困りましたね。
 和が主体の曲だからそれ繋がりで観たい!というのもありましたが、どちらも夜の曲だし、普通の生活をしてれば人は夜に眠るじゃないですか。DREAM=夢は眠っているときに見るものだし、そうなると物語性も見出だせるのかなって。


 オーケストラTIME③を超え、ライブも佳境。
 「アクアシップ」という大きな船の役物に乗ってDay.1は【MIRAI TICKET】、Day.2は【WATER BLUE NEW WORLD】を披露。
 【MIRAI TICKET】に至ってはどう受け取っても船にマッチしすぎているし、「船が往くよ」と歌いながら光の海を邁進していく姿は得も言われぬ光景だった。

 【WATER BLUE NEW WORLD】はご存知ラブライブ決勝において、ここ東京ドームでAqoursが優勝を決めた必殺の一曲。
 Day.1では披露されなかったのでちょっと焦りましたね。まぁでも2ndでも名古屋で【MIRAI TICKET】は歌われなかったし、ラブライブですからそういうこともあるかなって思ってました。

 どちらの曲もアニメの演出とは違う、いわゆる「再現」というものでは無いものでしたが、アニメの文脈から切り離されていたライブだからこそできた代物です。
 スカートを取り外す動作がなかった(そもそもロングスカートの部分は無かった)のも、3rdの時点ですでに解き放たれていたからなのかもしれませんね。

 オーケストラの指揮者・加藤達也さんに導かれた先での【キセキヒカル】。
 ご自身で作曲した曲をその場で生演奏し、それに合わせてAqoursが歌う。なんだこれ、究極の自給自足・地産地消か?

 劇伴の作曲をすべて担当されている加藤さん。
 その音楽はいつ何時も千歌たちの傍にあって、彼女たちを導いていた灯台のような存在。
 そんな灯台に導かれてAqoursの乗った船が進んでいき、祝詞のような歌をうたう。すごかったなぁ。

 そんなオーケストラさんたちもここでお別れの時間。
 チケット代ちょっと高いなって思いましたけど、こんな演出があるならむしろ安いくらいでした。素晴らしい演奏をありがとうございました。

 そしてなんとここでスペシャルゲストの登場です。
 みんな大好き・うちっちーです!
 …って思ってたんですけどね。

 照らし出されるセンターステージ、人影はふたり。

 17曲目はSaint Aqours Snowによる【Awaken the power】。

 鹿角聖良こと田野アサミさんは今年7月「甲状腺機能障害」という症状で激しい運動は厳禁、8月に控えたご自身の出演する舞台も降板されるという状態でした。

 この「甲状腺機能障害」について僕は全く知識がなく、安易なことは言えないので触れません。
3rdツアーでAqoursと一緒に各地を回って【Awaken the power】を披露してくれたことに感謝しつつも、「あぁ、もう【Awaken the power】は観られないんだな」という気持ちはありました。

 「この曲が観られるのはこれで最後かもしれない」という刹那性の意識を強く持ち始めるようになったのはやっぱりAqoursがきっかけだし、どの曲に対してもそう思っています。

 でも、だからこそ、もう一度観られたことが本当に嬉しかった。

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「じゃあ、最後にしなければいいんじゃないかな?」

 「黒澤ルビィはいつでも隣にいます。」降幡愛さんはそう言った。
 僕の隣にいるルビィから、そう聴こえた気がしました。

 ああ、「一足早いクリスマスプレゼント」って、こういうことか。


 名残惜しいままSaint Snowのお二人とお別れし、18曲目【No.10】。
 この曲についてはちょっと別に後述しようと思うので、ここでは割愛。

 楽しい時間、夢のような時間の終わりを告げるような、まさにエンディングテーマの【ユメ語るよりユメ歌おう(Day.1)】【勇気はどこに?君の胸に(Day.2)】。

 もはや合唱も定番となり、HAKODATE UNIT CARNIVALでも言及されていた「9人の曲だけど、みんなで歌える曲」なんですね。
 こうして世界をどんどん広げていくAqours

 「一緒に輝こう!!」と言ってくれたり、
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 青い羽根を届けてくれたり、
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 クリスマスプレゼントをくれたり、
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 みんなで歌わせてくれたり。
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 贈り物のようなひとときでしたね。


 衣装も新たに出てきてくれたアンコール1曲目は【未来の僕らは知ってるよ】。

 ライブの幕開けに歌われるこの曲は未来への期待感に胸を膨らませるようなイメージが有るのに対して、アンコールで歌われると自分たちの軌跡を振り返って昔の自分たちにエールを送るかのような曲に聴こえてくるので不思議なものです。

 
 アンコール2曲目は【WONDERFUL STORIES】。

 4thにおけるこの曲の何がすごかったかって、間奏でのセリフ部分ですよね。
 特にDay.2では、あれだけ長いセリフにもかかわらず千歌の口の動きと伊波さんの言葉のタイミングに全くズレがなくて。
 3rdツアーが完全にアニメの文脈に沿ったライブだっただけに間奏のセリフがなかったことだけが唯一の心残りだったのですが、今回のライブで2度目の成仏を迎えることができました。

 ほんとにホントに本当に最後の曲になった【Thank you,FRIENDS!!】にて終了。
 この曲についてもちょっと別項目で書こうかなと思います。

 ざっと振り返ってみても凄いライブでだったなって思います。
 曲間のテンポも良くて幕間が幕間になってない構成になっていましたが、これくらい詰め込まれている方が我を忘れて没入できるので個人的には好きですね。

 Aqoursの皆さん、素晴らしいライブを本当にありがとうございました。


「No.10」が苦手だった

 読んで時のごとく、僕はこの曲がちょっと苦手だったんですよね。
 ライブまでに5回も聴いてないんじゃないかなって思います。

 キャストさんでも言及されている方がいらっしゃいますが、曲の解釈は人それそれ。

 そもそも僕は他人に胸を張れるような生き方はしていないし、そんな人間とAqoursとして輝かしい活躍をして命を削っている人達と同列にしないでくれって思ってますし。
 「胸を張って10人目とは言えないけれど、ファンとして仲間でいたい」みたいなスタンスです。

 それなので僕は「君も仲間だよ」って言われることに物凄い違和感を持っていました。

 Aqoursの仲間でいられること、いていいこと。
 初めてこの感覚に気づいたのがファンミ2017を通しての【Landing action Yeah!!】で、そのまま仲間となった状態で迎えた【ホップ・ステップ・ワーイ!】だったんです。
 
 なので3rdの福岡公演で【ホップ・ステップ・ワーイ!】を歌ってくれたことは本当に嬉しくて。
 その翌日だったでしょうか、福岡にいるときに【No.10】の試聴動画が公開されまして。

 僕は基本的に試聴しないタイプのオタクなので【No.10】を聴いたのはCD発売日になってからですが、最初に抱いた違和感。

 「あれ、今まで仲間だって思ってたのは勘違いだったのかな」ということ。

 今まで友達だと思ってた人から「俺たち今日から友達だな!」って言われたような感覚が近いでしょうか。

 いろいろ考えちゃったんですよね、どこから受け取り方を間違えたのかなとか、そもそもはじめから違ってたかな、とか。
 だからよくわからなくなって、この曲に向き合うのを逃げてました。
 
 迎えた4th当日。
 
 【Thank you,FRIENDS!!】の演出で白い羽根が舞い上がるものがありましたね。
 作中、たびたび暗喩として登場していたあの羽根です。
 アニメでは白い羽から移り変わる青い羽根を以てAqoursの、彼女たちだけの色を見つけた。「幸せの青い鳥はずっと近くにいた」というものでした。
 
 じゃあ、どうしてここでまた白い羽根なんだろう?って考えたんですけど、ライブが終わったあと答えはすぐに出ました。

 どうやら僕は、「何かを成すことがAqoursの10人目になる条件」みたいな概念に囚われていたようです。
 「10人目」という呪文。呪いの文言。

 そうじゃなくて、「常に挑戦者だったわたしたちは成し遂げた。だから次はあなたの番だよ」っていうロシアンルーレットみたいな意味での「10人目は君だよ」なのかな、と。

 Aqoursは常に挑戦者。
 偉大な先輩と比較されながらも求められ続けている高いパフォーマンス、コンテンツ初のライブツアー、更にはライブの海外公演、アジアツアーまでも決まっています。
 だから、「人生に挑戦し続ける以上わたしたちの仲間、10人目だよ」なのかなって。

 そう考えたらスッと腑に落ちました。
 【Landing action Yeah!!】や【ホップ・ステップ・ワーイ!】はまさしくファン目線での「仲間」の歌なのですが、そもそもベクトルが違ったわけです。

 こうして無事「苦手」では無くなったわけですが、でも僕はやっぱりまだこの歌のことを「好き」にはなれなくて、多分それは僕が人生に妥協しているからなのかなっていうことにも気づいてしまったからなんですね。
 目標らしい目標も立てず、毎日をただ消費しているだけの生活なので。

 なので僕がこの曲を本当に「好き」になることができるのは、いつかそれらしい目標だとか、真に生きる意味を見つけられた時なのかな、そう思います。


Thank you,FRIENDS!!

 4thライブが終わったとき、どんな感情でしたか?

 僕はとにかくAqoursの皆さんへの感謝の気持ちと、運営に携わってくれたスタッフさん、メイクさんやスタイリストさん、畑亜貴先生や加藤達也さんを始めとする作曲家さん、とにかく色んな方への感謝の気持ちでいっぱいでした。
 兎にも角にも、顔も名前も知らない人へも感謝してましたね。

 【Thank you,FRIENDS!!】という曲も多々解釈のある曲となっておりますが、ここはひとつシンプルに考えてみようかな、というか、これはつい先日気がついたことなのでそのまま書いていきます。

 皆さんにはラブライブ!サンシャイン!!を通して繋がった、もしくは昔から変わらずの付き合いがあるお友達はいらっしゃるでしょうか。

 そのお友達に向かって素直に「ありがとう、会えてよかった」とか「あなたとの出会いは人生で最高のプレゼントだ」とか、何の臆面もなく言うことって、できますか?

 だいたい無理ですよね。
 気恥ずかしいし、こっちがいたって真剣だったとしても「何だこいつ、死期でも悟ったか?」なんて茶化されて誤魔化されておしまいです。

 でもこの感情って、4thを観たあと、【Thank you,FRIENDS!!】を受け取ったあとだったら笑い事じゃあなくなりませんか?

 そこで気づいたんです。
 【Thank you,FRIENDS!!】という共通概念は言葉の持つ意味を対等にしてくれるんです。

 ライブのあと、Aqoursの皆さんに向かって叫んだでしょう?
 「ありがとう」って。
 本当はもっと言いたいことがあるでしょうけど、「ありがとう」だけでいいし、「ありがとう」がいいんですよ。
 見栄とか体裁とか、そういう垣根が全部なくなって、一番重みを増すのはシンプルで真っ直ぐな言葉なんです。 

 僕は排他的で人見知りもするしコミュニティの幅も広くない人間ですが、それでも大事な友人と呼べる存在は昔からの付き合いがあるし、サンシャイン!!を通して知り合うこともありました。

 そんな人達に「ありがとう、会えてよかった」なんて急に言い始めたら気持ち悪くないですか?

 でも今の僕たちは【Thank you,FRIENDS!!】を受け取っているんです。

 言うほうも言われるほうも、正しくその言葉の意味を理解できるはずなんです。

 というわけで僕の数少ない友人の皆さん、僕が真面目な顔して唐突に「ありがとう」なんて言い出しても、どうか茶化さず誤魔化さずに受け取って欲しい。

 そしてこれを読んでくれた人、大事だなって思っている友人に感謝の気持ちを大真面目に伝えてみてください。たぶんちゃんと受け取ってくれるはずです。

 サンシャイン!!での知り合いはいないけど、リアルでの友人なら…という人、4thに参加するにあたっていっぱい買ったでしょう?

 そのCDを友人にプレゼントするのです。
 もし聴いて気に入ってくれたら、そのご友人はまたあなたにとって大事な存在になるかもしれません。


推しの話

 僕は黒澤ダイヤが好きで、だからという訳ではありませんが小宮有紗さんが好きです。
 9人と9人、みんな好きなのですがダイヤと小宮さんはいわゆる「推し」になるのでしょう。

 【Thank you,FRIENDS!!】の黒澤ダイヤソロを聴きました。
 ほとんど抑揚なく、淡々と歌い上げられているあたりが非常にダイヤっぽいというか、ダイヤが友達の事を想いながら歌うとすれば間違いなくこうだ、と感じるものでした。

 アニメ1期「#9 未熟DREAMER」、黒澤家でダイヤが果南の過去の話をバラしてしまうシーン。
 オフィシャルブックの53ページに「私個人ならもっと感情的になってしまうと思うのですが、ダイヤなら絶対に自分の感情を隠して、落ち着いて話すだろうと思って演じました」と語られています。

 もともと声優でもなく歌手でもない小宮さんが、ダイヤを演じるにあたって歌でもこんな表現ができてしまうというのが本当にすごくて。

 かつて畑亜貴さんのインタビューでこんなことが語られていました。

「もちろんユニットはみんな好きなんですけれども、たぶんわたしの個人的な感情とシンクロ率が高いんですよね。自分が表現したいと思ってることの巫女さん的なユニットだなって思います。もっと背負わせちゃっていいんだ、情熱×哲学みたいな方向に行っちゃっていいんだって、パフォーマンスを見て勝手に思ってしまって(笑)」

引用:ダ・ヴィンチ2018 4月号

 ユニットシングル第2弾が作られる前に畑亜貴さんが抱いたというこの印象。
 畑亜貴さんの欲望や好みを詰め込まれてできたのが【GALAXY HidE and SeeK】ですし、この曲のセンターはダイヤであり、小宮さん。
 きっと畑亜貴さんにとって、小宮さんは自分を投影できる最高の依代なのではないでしょうか。

 少し話が変わります。

 9/15、女優の樹木希林さんが亡くなられました。
 その樹木希林さんの戒名が「希鏡啓心大姉(ききょうけいしんだいし)」だったことも話題になったので見かけたことのある方もいらっしゃるかと思います。
 芸名と本名から一文字ずつ取られ、彼女自身が女優としても「希(まれ)」な存在であり、「鏡」は生前によく口にしていた「役者は人の心を映す鏡」からとられている、というのが由来だそう。

 また話が変わります。

 少年ジャンプで連載中の「アクタージュ」という作品をご存知でしょうか。
 細かい説明は省きますが、役者志望の主人公・夜凪景(よなぎ けい)。彼女の芝居は自身の経験や役柄がおかれた状況を擬似的に追体験することで演じられる「メソッド演技法」という技法の極地みたいなもので、芝居というよりは「その人そのものになってしまう」レベルの代物。
 役になりきるあまり、人が目の前で斬られるところを想像してゲロを吐いてしまったりします。
 共演者からは「人を映す鏡のような芝居」と言われたりしています。

 そんな「アクタージュ」、現在「銀河鉄道の夜編」なんですが、これがめちゃくちゃ面白くて。
 ざっくりお話すると、「銀河鉄道の夜」は死者しか乗ることができない列車のお話。
 その舞台の監督が癌に侵されており、明日をも知れぬ状態の中で抜擢したのが主人公の夜凪さん。
 「人を映す鏡のような芝居」をする夜凪が、死と向かい合っている監督から何を受けてどう演じるのか、何を見せてくれるのかがいま非常におもしろくて、毎日月曜日が来いって思っています。
 
 ここで2度出てきた「鏡」
 僕は役者でも何でもないのでこの「人を映す鏡」にいまいちピンとこなかったのですが、4thでの小宮さんを観ていたらなんとなくわかった気がしました。
 クリエイターからの要望、欲望を限りなく100%に近い純度で役を投影できるのが理想で、たぶん小宮さんはそれに近いレベルにいるんじゃないのかな、ということです。

 夜凪さんみたいなメソッド演技法とは違うと思いますが、現に小宮さんはクリエイターからの要望を引き出し、欲望に応えている。これ以上の証明はないと思うんですよね。

 役だけでなく、クリエイターの要望や欲望まで背負って表現できちゃう小宮さんホントすごいよね、というお話でした。 

 話を戻します。
 僕が持っている小宮有紗さんの印象として、他の8人に比べてラブライブ!というコンテンツに入れ込みすぎていないというものがあります。もちろんいい意味で。
 大事な役・仕事の一つではあるものの、これが全てではないという印象を受けていて、そこに惹かれているのも事実です。

 でもまぁときどき、本当にごく稀に思っちゃうことがあるんですよ。
 「この人はどのくらい黒澤ダイヤが好きなんだろう」って。

 とんでもなく失礼な話ですよね、不敬まである。
 言うまでもなく小宮さんはダイヤのこと大好きだと思いますし、じゃなくちゃこんなに惹かれてないんです。

 好きの深度、というのが適切でしょうか。
 他の演者さんと比べるようなつもりもないのですが、ふと8人を見ると担当キャラとして立ちたくて涙したり、1ファンとして研究していたり、外見はどうやっても近づけないから「一緒に立ちたい」と言っていたり。色んな演者さんがいます。
 その中で小宮さんは、9人の中で限りなくキャラクターそのものになれる外見を持っているのにあえてそれはしなかった。

髪の毛を黒くして前髪パッツンにすることもできるんですけど、それでダイヤのコスプレのように見えるのは嫌なんです。このままの私でもダイヤに見えてほしいから、わざと普通の髪型にしていて。

 この辺はVOICE BRODY Vol.2の60ページでも語られていますね。

 しかし3rdツアーからでしょうか、小宮さんは黒髪でパッツンの完全黒澤ダイヤで登場しましたね。
 そして今回の4th、ダイヤをドームに立たせてあげたいというところなのでしょうか。今回も黒髪パッツンの完全黒澤ダイヤでした。

 MCなんかにおいても小宮さんは普段あまりダイヤの話ってしなかったと記憶していますが、「私がダイヤだから本物なんだけど」とか「黒澤ダイヤとしてこの場に立てることが」みたいなことを言っていたんですよね、たしか。ライブ後のオタクは記憶力がないので言ってなかったらすみません。

 どんな心境の変化があったのか、あるいは心境の変化なんて無かったのかもしれませんが、僕にとっては好きの深度が一層深まったように思えてすごく嬉しかったんですよね。

 懸念というほど案じていたものではありませんが、僕は僕が真に求めていたものを与えていただいたので満足しています。

 「人を鏡に映したような」なんて話もちょっとしましたが、ダイヤと小宮さんは口元のホクロの位置からしてもそのまま鏡に映したようでもあるな、なんて。


 

あとがき

 ここにきてようやく自分語りのあとがきです。お付き合いいただきましてありがとうございます。

 4thに臨む前、何も考えないで楽しむぞ~!なんてヘラヘラしていたんですが、事前物販で届いたパンフレットを読んだらヘラヘラなんてできなくて、むしろメンヘラになってもおかしくなさそうでした。

 前回の記事でも書きましたけど、やっぱりラブライブは呪いなんですよ。
 
 「まだAqoursは終わりじゃないから」とか書いたり言ったりしてくれるじゃないですか。
 でもそれってやっぱり、前を見るだけじゃなくて後ろを振り返ったときとかゴールが見えてきたときに出る言葉なんです。

 いつか必ず終わることが約束されたスクールアイドルという存在、日に日に迫ってくる期限に怯える呪縛。しかも先代が終わりを迎えたあの東京ドーム。嫌でも脳裏を過ぎります。呪い以外の何物でもない。

 それが示唆されたとき、「Aqoursの終わり」という現実が近いことが肌に触れたとき、自分でもびっくりするくらいビビり散らかしてたんですよね。

 Aqoursと一緒にいられる時間って本当にあと僅かだと思うんですけど、今回みたいにならずに笑って迎えられたらいいですね。

 前回の記事の話ついでに、「いろんなものを受け取れますように」なんて書いてたんですけど、逆に受け取るものが多すぎて困ってます。
 二度とないと思っていたクリスマスプレゼント、苦手だった曲の克服、歌の持つ意味、生きる活力などなど。
 チケット代に対して貰ったものが多すぎて、逆にこれ運営赤字じゃない?いいの?

 ラブライブは宗教なので、信仰心が高ければ高いほどに恩恵が受けられます。
 僕の見える範囲でのお話ですが、ライブが終わったあと口々に人生を肯定されているオタクが見受けられました。
 彼らはサンシャイン!!に真剣なので、真剣であるほどに恩恵を受けられたのでしょう。
 アニメもそうですが、一見して分かりづらくて良さが伝わりにくいものの、ほんのちょっとの気付きで見方が変わって、真剣になって、色々なものを受け取ります。「このアニメ、めっちゃ作り込まれてるじゃん」って。

 かく言う僕も盲信者なので、4thは自分のためにあったくらいに思ってます。
 欲しかった以上のものを受け取れて、呪縛から開放されて、また明日からも頑張ろうって思えている。

 確か逢田さんだったと記憶していますが「これが新しいスタートラインになれば」というようなことを仰っていたんです。
 
 4thの前、Sailing to the Sunshineというタイトルの意味を考えていました。
 「一度すべての足並みを揃えて、ゼロをイチにしたその先へリスタートするためのものであってほしい」。僕は前回の記事でそう書きました。

 東京ドームという呪縛の地から解放されて、Aqoursだけの船出を約束してくれた。
 5thライブもあるし、船出と呼ぶに相応しいようなアジアツアーまである。
 これ以上の答えはなくて、これがたまらなく嬉しかったんです。アジアツアーは流石に行けませんけど。

 東京ドーム、あの会場は気圧差でドームを膨らませているのですが、あのドームってよく見ると巨大な帆みたいですよね。帆に風を受けて走る帆走(Sailing)におあつらえ向きの会場です。
 会場を出るとき、とんでもない追い風に背中を押されましたよね。
 これもやっぱり帆走(Sailing)なんですよ。頑張れよ、ってAqoursに背中を押してもらったんです。

 まぁこれも気圧差による現象なのですが、これを「いやそれ気圧差~w」とただの現象として捉えるか、自分にとって意味のあるものにしていくかは肯定力の差でしょう。
 犬を拾い続けた成果が出ました。
 僕は会場を出る瞬間まで楽しんでました。いや、最後まで楽しんでしまって本当すまん。

 こうして無事呪縛からも解き放たれ、「明日からも頑張ろう」という活力を得て、最高の2日間を終えたのでした。

 最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。

 

SAILING TO THE SUNSHINE

 東京ドーム。

 

 おそらく日本で一番有名なドームであるといってもいい場所。

 
 この会場で単独公演ができるアーティストは限られている。

 この会場で単独公演ができるということはそれだけで誇らしいことなのだろうと思う。

 が、意外にも公演数自体は結構ある。

 Aqoursが東京ドームで単独公演するまでに、885回の単独公演が行われている。(東京ドームコンサートを開催したミュージシャンの一覧 - Wikipediaより)

 ただ、声優というカテゴリで見れば前例はたったの2組、計4公演。

 その2組とは水樹奈々さんと、「偉大な先輩」。


 G'sマガジン号外と4thライブのパンフレットをさきほど読み終えた。

 4thに向けて何も考えずに、今ある自分のままで楽しみ尽くしてやろうって思っていたのだけど、パンフを読んで気が360°変わった。
 めちゃくちゃ色んなことを考えてしまった。

 キャスト全員からではないけれど、溢れ出ている「偉大な先輩」たちへの想い。

 同時に、『選ばれた僅かな人間しか立つことが許されない舞台に立つ誇り』よりも『「偉大な先輩」が立った舞台に立つという重圧』のほうが上回っているように思えた。
 
 しかしこれは無理もない。

 圧倒的な人気が絶頂の最中終えたファイナルライブ。

 当時そのコンテンツの後継としてAqoursに求められていたものは計り知れない。
 今までのライブや生放送、ラジオなど様々な活動を通して「だいたいこんな事があった」ということは察せるし、飽和しているアイドル声優コンテンツで生半可なモノを提供しても結局ボロが出る。

 ドル箱と化したコンテンツ、企業の威信や命運もかかっている。
 重圧のほうが上回るなって言うほうが無理な話だ。

 逆境、逆風のなかはじまったAqoursたち。

 ゼロからのスタートどころか、個人的にはむしろマイナスからのスタートだったと思う。

 お渡し会やミニライブという下積み、ワンマンライブ、ツアー、海外公演などを通し、立派なアーティストとなったAqoursはもう彼女たちだけのパフォーマンスで彼女たちだけのファンを手に入れている。

 逆境、逆風さえも追い風に変えてしまうような、メキメキと力をつけていくAqoursの快進撃がとても痛快で彼女たちを応援しているようなところはある。
 

 次第に「偉大な先輩」の影を感じることは無くなっていった。

 ところがこの4thライブ、突然またその”影”を匂わせる。

 今までナリを潜めていたものが、突然顔を出す。

 よく考えれば当然のことなのだけど、とんでもない違和感があった。

 先述したとおり、これは無理もないし、仕方ない。

 東京ドームという場所は、演者やファンを含む「みんな」にとって大事な場所だったのだから、影どころか話題が出るのが当然なのだ。

 そしてたぶんこの「みんな」にとって大事な場所Aqoursが立つということに色々な感情を抱いているのは、僕たちファンのほうにも言えることなのではないだろうか。

 
 せっかくなのでちょっと自分語りをしようと思う。


 僕は一度ラブライブ!というコンテンツを離れた。ファンをやめた。
 時期で言えば「偉大な先輩」の5thライブが終わったあと。

 だから僕はファイナルを見ていないし、何があったのかも知らない。
 映像すら見ていないし、おそらく今後見るつもりもない。

 ぶっちゃけてしまえば、東京ドームは僕にとっては「みんな」にとって大事な場所ではない。

 ラブライブ!から離れていて、再びサンシャイン!!にめぐり逢うまでにはいろいろあったのだけど、それまでにこのコンテンツを外から眺めていたときに感じていたことは、「良くも悪くも、演者もファンも、呪縛じみたものに囚われているな」というものだった。
 ファイナルを見ていないからこんな身勝手なことが言えるのだろうけど。

 後釜として見る人、後継だから見る人、逆に後釜だから受け入れられない人、いろいろな人がいる。これは仕方ない。

 呪縛というと言葉が強すぎるのかも知れないけど、この甘くて優しい呪いは無意識にいろんなものを縛っている。


 『鎖につながれた象』の話をご存知だろうか。

 これは「巨体で怪力のサーカスの象が、なぜ杭や鎖を壊して逃げ出さないのか?」という、たとえ話のひとつ。
 皮肉なことに、象を縛っているのは杭でも鎖でもなく、象自身だったというお話。
 杭や鎖が「縛られている」「逃げられない」という洗脳を課し、自分自身を縛ってしまうのだ。


 再びこのコンテンツに身を落として分かるけれど、これはやっぱり呪いだった。
 たぶん僕自身が一番縛られていたのかもしれない。

 前述の通り、僕はAqoursが彼女たちの力だけで彼女たちだけのファンをつけ、快進撃を続けていく姿に心を打たれて今こうしてAqoursのファンでいる。 

 故に、TVアニメ1期「#12 はばたきのとき」で”あなたの背中ではなく自分のだけの景色を探して走ります”と決意し、決別した高海千歌に震えた。
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 以降、2期になってからは話中で一度も「偉大な先輩」の名前は出てきていない。

 こうして彼女たちだけの景色、輝きを追いかけた千歌たちAqoursの素晴らしき物語と、その名を冠したライブツアーを見とどけた先での「SAILING TO THE SUNSHINE」だ。

 この「SAILING TO THE SUNSHINE」で、一度すべての足並みを揃えて、ゼロをイチにしたその先へリスタートするためのものであってほしい。

 「偉大な先輩」が立った、みんなにとって特別な場所
 そこに立ったAqoursたちに、追いかけ憧れるのではなく「並び立った」と胸を張ってほしい。

 『選ばれた僅かな人間しか立つことが許されない舞台に立つ誇り』が『「偉大な先輩」が立った舞台に立つという重圧』を上回ってほしい。
 
 僕が好きになったAqoursを、「偉大な先輩」の影を感じさせず誇らせてほしい。

 他のことなんて一切考えられないような、Aqours以外考えないんだって思えるような最高最強のステージを見せてほしい。

 このライブすら通過点にして、もっとすごい人達になってほしい。

 それが僕にとっての「SAILING TO THE SUNSHINE」であってほしい。
 呪縛という鎖を壊して、碇を外して、船出の時を迎えさせてほしい。

  この先あと何度Aqoursのライブがあるのかわからないけれど、彼女たちなら絶対応えてくれる。

 何も考えずに4thに臨むつもりだったのに、めちゃくちゃな欲望だらけになってしまった卑しい自分に本当に嫌気が差す。

 思いついたままに書き殴ってしまったけれど、おおよそ本心だし、なんとなくだけれど4thへ向き合えた。

 色んな事を考えて色んなことを書いたけれど、気持ちが360°変わっただけなので、結局やること自体は変わりなし。
 ここで吐き散らかしたぶん、頭を無にして臨むこと。

 だからそのぶん、彼女たちからいろんなものを受け取れますように。