Aqours 3rd LoveLive!Tour WONDERFUL STORIES~福岡公演感想文~
虚構から現実へ、現実からその先へ
3都市6公演すべての公演を1人も欠けることなく無事に完走してくれたことをなによりも嬉しく思うし、ただただ「ありがとう」という気持ちでいっぱいです。
福岡公演はLAでのライブが終わったあとすぐということもあり、移動時間や時差などの疲労が積み重なって正直なところ「パフォーマンスの質が落ちても仕方ないかな〜」なんて思ったりもしていました。
ところが福岡公演はとんでもない気迫や想いの強さが嫌でも伝わってくるものだったし、リリースされたばかりのライブ初披露となる曲まで見せてくれたので本当に失礼なこと考えてたなと反省しました。
いつだって最強最高のAqoursを見せてくれるために頑張ってくれているんですものね。
これでもかというほど泣いたり笑ったり、最高に楽しいライブでした。
僕は大体どのライブでも、特にAqoursのライブの後なんかにはしばらく現実なんか見えないくらいフワフワ浮かれてしまって、仕事中とかにライブの光景がフラッシュバックしてきて突然泣き出すことが日常的にあったんですよね。
「ああ、あの曲聴けてよかったな」とか、「MC最強だったなぁ」とか。
もちろんAqours1st・2ndともにひどい症状で、運転中にAqoursの曲を聴くのは自殺行為だったり、ブログを書きながら泣いたりするのなんて当たり前でした。
声が聴こえるたびに思い出して、目を閉じても思い出して、そして泣く。安い涙なんです。
ところがですね、この3rdライブ。
全然そんなことにならないんですよ。
さすがに没入してライブの光景を思い出すとなればオンオン泣けてしまいますが、平時に突然フラッシュバックしてくるなんてことはまずありません。
ライブが終わった翌日から「さて、今日もAqoursを聴いてお仕事頑張っちゃいますか!」みたいな気持ち。
現実について考えさせられるような、不思議な気持ち。
夢のように感じられる時間だったけど、「ように」なんてつけたら夢じゃないってことなのです。
いったい僕の中で何があったのか。
僕はそもそも、ライブやイベントなどは「非日常」を楽しみに行く場だと考えています。
憧れの演者さんがとびきり可愛くて格好いい衣装を着て歌って踊って、アニメの中の演出がまるまる使われたりしたら、まるでアニメの中に入ってしまったみたいだと感じます。
今回の3rdライブで言えば、『WATER BLUE NEW WORLD』のサビでスカートを外す演出に合わせて青い羽根がブワー!っと吹き出すところが最大の箇所だったでしょうか。
ちょっとケースが違いますが、昨年の沼津夏祭りのとき開催されていたサンシャイン!!1期上映会。
そこで観た「#11 友情ヨーソロー」での『想いよひとつになれ』はそのまんま沼津市民文化センターのスクリーンと重なって、どこからアニメでどこから現実なのかが本気でわからなくなりました。
まだまだいくつもあるのですが、現実と虚構を極限まで擦り寄せた結果産まれる奇跡のような一瞬がたまらなく好きで、それを求めているのでしょう。
そして、これはほんの一瞬であるがゆえに鮮烈で、瞬間的にフラッシュバックしてきたりするものです。
ところがこの3rdライブは、徹頭徹尾があまりにもリアルだった。
かねてより、自分が演じるキャラクターをどう表現するかに力を注いでいるAqoursの皆さんですが、いつも以上にかたくなに自身やメンバーのことをキャラクターの名前で呼ぶ演者さんたち。
このキャラクターならこう動く・こうする、というものを、欲しかった以上に、ごく自然にぶつけてきてくれた。
これをどう表現するのが一番しっくりくるのかはわからないけれど、「憑依」が一番近いのかなと思いました。
演者さんはキャラクターになることはできるけれど、キャラクターは演者さんになることはできない。
容姿や仕草をどれだけ近づけたとして、伊波杏樹は高海千歌になれるけれど、高海千歌は伊波杏樹にはなれない。
…って思ってたんですよね。
アニメ2期のストーリーをなぞったセットリストであったことや12.5話*1の存在。1stライブと同様に「ライブを経てアニメのストーリーが真の意味で完成する」ものだったと思います。
2期の内容は人生について考えさせられたり、いろいろな気付きを与えてくれるものです。
アニメを見ていた僕に語りかけてきたのは紛れもなく千歌たちでした。
だからこそ、千歌たちアニメ内のキャラクターはセリフ以上の言葉を持てません。
しかしこのライブは違った。
Aqours WAVEを完成させたと泣きじゃくっていた姿、公演の回数を重ねるごとに恋心を知っていった姿、果たせなかった夢を叶えたいと福岡だけでライブを披露した2人組の姿。などなど。
千歌たちは伊波さんをはじめキャストを媒介にして、自分たちの言葉を届けてくれた。憑依していた。
ふだんは僕が虚構へのめり込んでいくほうが強いのに対して、今回は向こうがこちらへ飛び出てきてくれたような感覚。
そんな事を感じてしまうくらい3rdライブの飛び出し具合は凄まじかった。
なので、ものすごく刺さったんですよ。
『ホップ・ステップ・ワーイ!』、この曲が。
ファンミーティング幕張公演での感想記事にも書いたような気がするんですが、この期に及んで僕はまだ「Aqoursのファン」だと自身を持ててないみたいなんですよね。
ライブやイベントは全然参加できてないし、ラジオだって聞いてない回のほうが多い。
これは他の誰かと比べて、とか相対的な話ではなく、自分が満足するための絶対的な話です。
去年のファンミの頃からズルズルとそんなことばっかり考えていて、我ながら鈍くさいなぁと思うのです。
そんなノロマな理論武装をした僕に、真正面からなんの飾り気もないまっすぐな言葉でぶっ刺しに来るんですよ。
『さあおいで いそがないと置いてくよ?』
って。
ファンでいること、Aqoursの仲間でいることが大前提で歌われる『ホップ・ステップ・ワーイ!』。
あんなに何度も「ついてきてくれますか?」と口にしてきた彼女たちが「いそがないと置いてくよ?」と突きつけてくる。
ライブ中に感じていた「リアル」さが、伊波さんをはじめキャストに憑依したキャラクターたちが、「現実」になって問いかけてくるんです。
このままモタモタしてたら本当に置いていかれてしまうかも知れないという恐怖があって、このツアーが始まる前に感じていた「怖い」という気持ちの正体はこれだったのかもしれないと思いました。
というよりもこの悩み、たぶんファンミの頃からまるで変わっていない……僕にとっての命題なのでしょう。
今の僕には悲しいほどにAqoursしかなくて、依存してるんですよね。
推しキャラのこと考えててゲロ吐いたりしますし。
置いていかれたくないなぁ、という気持ち。
高槻さんがMCにて「みんなの居場所はここだよ」みたいなことを仰っていましたが、あたたかすぎるその言葉にまた依存してしまう。
ただ依存するだけというのはたぶん良くないことなので、少しでもまともに向き合えるようにしたい。
「Aqoursのファンだ」と自信を持って思えるようになりたい。
現状、Aqours以外に熱中できるものがあまりにも何もなさすぎる人生なので、これをまずどうにかしたい。
TVアニメとライブを通して素晴らしい物語を見せてくれて、確かな成果を見せてくれたAqours。
「私達は動いた。やった。成し遂げた。じゃあ君はどうする?」
全公演を終えたあと、そう問いかけられたような気がしました。
このままじゃいられない。傍観者じゃいられない。
何ができるのかわからないけど、何かを変えられるように。
現実をちょっと頑張ってみようかなって思えるコンテンツ、すごいと思うんですよね。
WONDERFUL STORIES、その名に相応しい素晴らしい物語を本当にありがとうございました。
あとがき
ここからはちょっと書いておきたかった福岡の旅行記というか、行程録になります。
西日本豪雨の影響で山陽新幹線が運休になったり、その他さまざまな交通機関が麻痺しており、無事にたどり着けるかどうか本当に肝を冷やしました。
結果として無事にたどり着けたのですが、福岡空港に到着したのが16:00。開演は17:00です。めっちゃ焦ってました。
そもそも当日の朝8:00まで群馬で仕事してて16:00には無事に福岡にいられてるの、上出来すぎじゃないですか?
私事ながらDay1.の前日が誕生日でございまして、なんともありがたいことにプレゼントを戴いたり、飛び入りで参加した飲み会でもお祝いなんかもして戴いちゃったりで本当に恐縮でした…。ありがとうございます。
ウェストコースト式の祝いをしていただいた……( ˃̣̣̥ω˂̣̣̥ ) pic.twitter.com/UuEWCwEIbt
— ♦️瀬口ねる♦️ (@_Segnel_) July 7, 2018
ちなみに「オカダタケシ」さんは僕の親愛なるフォロワーさんの「ハンドルネーム」なので、どちらの本名でもありません。
瀬口ねるU.S.A.は7/7時点で流行していたDA PUMPさんの『U.S.A.』からきているそうです。パシフィックオーシャンをひとっ飛びして福岡まで来てよかったです。
こういった人と人との繋がりも本当にありがたいですね。
2日目は福岡在住の友人に久しぶりに会って昼からモツ鍋を食べたりしてましたが、ライブの前によくモツ鍋食べようと思ったなという気持ちです。
結構ニンニク入ってたので、ライブ中とか臭かったかも。
福岡は個人的にとても思い入れのある土地なので3rdツアーで行けるのが楽しみだったし、行けてよかったです。
懐かしいなぁと色々と思い出す場所に行ってみたり、あれこれ食べたり、それだけでも楽しかったですね。
お腹も満たして、大好きな通りもんも買って、さらば福岡。
と飛行機に乗ったところで気付きました。
ホテルかどこかにイヤホンを忘れてきたみたいです。
決してお高いものではありませんでしたが、好みの音を鳴らしてくれて愛着もあったので、この遠征で唯一の汚点です。
楽しかった気持ちと感謝の気持ち。そして私物を忘れないように、家に帰るまでがツアーです。
最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。
*1:青空Jumping Heart前の幕間アニメ