肯定録-コウテイログ-

肯定ペンギン。加点方式。

誰のための「10」なのか。

 皆様こんにちは、瀬口ねるです。

 

 早いもので埼玉公演・大阪公演を終え、残すところは福岡公演のみとなりました。

 

 埼玉、大阪を終え、どうしてもひとつ気になっている事があるのでちょっと書き出してみることにしました。

 仰々しいタイトルになってしまいましたが、『WATER BLUE NEW WORLD』の「10!」を言うか言わないか、というお話です。

 批判とかネガキャンだとか、そういうものではないので「なるほどね」くらいの感覚でお付き合いいただけたらと思います。

 ”肯定”録なので。

 

「10!」について

 

 あらかじめ明言しておきますと、僕は「言わない」派ですね。

 「言わない」ことについての理由は後ほど書かせていただきますが、『WATER BLUE NEW WORLD』前の「10!」に対し、ものすごい違和感を持っていました。

 埼玉初日でこの違和感を覚え、2日目、そして大阪と、かなりの人数が「10!」を言っていることに割とびっくりしました。

 「あ、ここ言うんだ」という驚きと、「言わないのが少数派なの?」と感じる圧。いちいちこんな事を気にするなんて我ながら本当に損な性格だと思います。

 

 この違和感を抱えたままだと、「僕は残る福岡公演をホンキで楽しむことができないかもしれない」と思い、どちらかを否定するのではなく、どちらの在り方も肯定してみることにしました。

 

 

 

「10!」を「言わない」

 

 まずは「10!」を「言わない」事について。

 

 この3rdツアーのセットリストは、アニメ2期のストーリーに沿った内容になっているのは言うまでもないでしょう。

 アニメ2期、及び「#12 光の海」の文脈通りにこのライブを解釈するのであれば『WATER BLUE NEW WORLD』の前の「10!」は「言わない」のが正解だと思っています。アニメ劇中では言ってないですからね。

 

 ただこれを「アニメで言っていないから言わない」という思考で語るのではなく、Aqoursのことを考えて語りたいと思います。

 

 アニメ2期「#7 残された時間」で、Aqoursの9人は廃校阻止が叶わなかったことで自分たちの存在・活動に疑問を感じ、一度立ち止まってしまいます。

 そんな時に「優勝することで学校の名前を永遠に遺す」という新しい目標を立ててくれたのが、よしみ・いつき・むつをはじめとする浦の星女学院の生徒。いわゆる「10人目のAqours」です。

 

 その後、東京へ移動し決勝を目前に控えた千歌は「本当に勝つだけでいいのか」という疑問に再度立ち止まり、聖良の「誰のためのラブライブですか」という質問には答えられない。

 

 千歌は改めてメンバーひとりひとりに意志を問い、その上で「誰かのためじゃなく、自分たちのために勝ちたい」という決意を固めた。

 アキバドームへ向かう最中、示し合わせたわけでもないのに次々と合流し、歩道橋でその想いをひとつにする。

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 つまるところ、『WATER BLUE NEW WORLD』前の歩道橋でのカウントアップは9人だけのもの、9人だけの「決意のカウントアップ」です。

 

 僕はこの「Aqours9人だけの意志」を尊重したい。だから「10!」を言わないことを選んだ。

 

 

 

「10!」を「言う」

 

 Aqours9人のカウントアップに対し「10!」を言うムーブメントのきっかけになったのはよしみ・いつき・むつをはじめとする浦の星女学院の生徒・及び内浦の皆様によるアニメ1期「#13 サンシャイン!!」での『MIRAI TICKET』でしょう。

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 これはアニメの文脈通りに見ても「言う」のが正解ですし、Aqours 1stライブで『MIRAI TICKET』が披露されるときは僕自身もそのチケットでAqoursという船に乗りたかった、Aqoursと同じ景色を見たかったから「10!」を言いました。

 

 以降、Aqoursはこの「10!」を、並びに「10人目のAqours」という存在を広くあたたかく迎えてくれています。

 

2ndライブツアー初日の名古屋で歌った時に、歌の冒頭で「1,2,3,4,5,6,7,8,9」ってメンバーが言った後に本来は千歌の「OK?」ってセリフが入る部分でファンのみんなが「10」って言ってくれるんです。

「あっ、みんなここで「10」って言ってくれるんだ」って思って、次の日から「OK!」って台詞を言わずに、みんなの「10」っていう声を聴く振り付けから次の歌詞「レッツゴーサンシャイン!」に繋げたいってお願いしたら、変えてくださって!

この曲はみんなで作る曲なんだって実感しました。

 

ウルトラジャンプ2018年3月号 CYaRon!インタビュー

 

Aqoursの10両目、

みんなと一緒に駆け抜けたいの!

 

lineblog.me

 

 このようにキャストさんから「10」について語られることも多々あり、この「10」が彼女たちのパワーになっているのは感じ取れるものです。

 

 伊波さんのインタビューでも仰られているように「みんなで作る」のがライブですし、ライブだからこそ生まれるムーブメントもあるのです。

  キャストさんたちがあたたかく迎え入れてくれている行為に対し「それは違う」と切り捨ててしまうのは愛も想いやりもない。

 

 そしてなによりこの項のはじめにも申し上げたとおり、この「10!」のムーブメントのきっかけになったのはよしみ・いつき・むつをはじめとする浦の星女学院の生徒・及び内浦の皆様、つまり「10人目のAqours」による「10!」です。

 彼女たちの意志も、決して切り捨てていいものではない。

 

 もしもAqoursが歩道橋で「決意のカウントアップ」をしているとき、「10人目のAqours」がその場にいたら「10!」と言っていることでしょう。

 これに文脈上の間違いは無いはずです。

 

 つまるところ、『WATER BLUE NEW WORLD』前のカウントアップに対し「10!」を言う行為は、よしみ・いつき・むつをはじめとする浦の星女学院の生徒の気持ちを尊重した上での代弁だと思うのです。

 

 「10人目のAqours」は9人に自分たちの夢を預けているのです。だから「10!」を言う。

 3rdライブの『WATER BLUE NEW WORLD』において「10!」を言うということは、アニメの浦の星女学院生徒の想いとリアルに存在している自分たちの想いも乗せてほしいという「託生のカウントアップ」だと思うのです。

 

 

 

誰のための「10」なのか。

 以上のように、どちらにも正義があって、どちらも正解なのです。

 「俺はたけのこの里を食べるけど、お前の選んだきのこの山も良いよな!」みたいな感覚です。

 そもそもこんな事を気にかけていた自分が馬鹿らしいとも思うのですが、僕は残す福岡公演を全力で楽しみたい。起きること全てを楽しんで、輝きたい。この素晴らしい物語をホンキで駆け抜けたい。

 埼玉公演が始まる前は恐怖でしかなかった3rdライブ、僕は僕のために楽しみたい。そのためにどんな些細な気がかりでも摘んでおく必要があったので、こんなものを書きました。

 

 Aqoursの9人が飛び立つ先を見守るために「決意のカウントアップ」を尊重するのも良し。

 

 浦の星女学院の総意と自身を重ね合わせて「託生のカウントアップ」を紡ぐのも良し。

 

 誰のためのライブで、誰のための「10」なのか。

 「アニメで言わないから言わない」とか「ただ何となく流れに流されて言う」とかではなくて、それぞれが自分の意志と正義を持ってライブに参加する方が絶対に楽しい。

 

 キャラクターに対する愛、キャストに対する愛、ストーリーに対する愛。

 どれをどう尊重していくか、これが「愛と想いやりを持つ」ことだと思うのです。

 

 以上を踏まえ、僕は改めて「言わない」ことを選びます。

 僕は彼女たちになりたいわけでも、願いを投影したいわけでもなく、彼女たちが見る青い新世界の景色の一部でいたい。

 

 これは完全に個人的見解ですし、僕が僕にケジメをつけるための思考を書き起こしたものなので、他人にとっては取るに足らないものかもしれません。

 

 でも、もしも1人でも僕のように考えている人がいて、この記事が答えじゃなく道を探す手がかりになってくれたら。

 もしもこの記事を読んでくれたことで、それぞれがそれぞれの「意志」をもって、その上でどちらを選ぶのかを考えるきっかけにでもなって頂けたら幸いです。

 

  泣いても笑っても、次の福岡が最後の公演です。

 

 あなたはどう遊びますか?