Aqours 4th LoveLive!~Sailing to the Sunshine~ 呪いは解けたかい?
皆様こんばんは、瀬口ねるです。
ラブライブ!サンシャイン!! Aqours 4th LoveLive! ~Sailing to the Sunshine~、どんな2日間になったでしょうか。
ちまちまと、もしかしたら長くなるかもしれませんが感想などを綴っていこうかと思いますので、よろしければお付き合いくださいませね。
Sailing to the Sunshine
まずはセットリストを。
《オーケストラTIME OPENING》
●Main theme of Lovelive! Sunshine!!
1.君のこころは輝いてるかい?
2.Step!ZERO to ONE
3.恋になりたいAQUARIUM(Day.1)
3.HAPPY PARTY TRAIN(Day.2)
4.少女以上の恋がしたい
5.青空Jumping Heart
《オーケストラTIME①》
●想いのかけら
●夢を飛ぶ紙飛行機
●Hello New Season!
●Let's enjoy together
●前回のラブライブ!サンシャイン!!
6.決めたよ Hand in Hand(Day.1)
6.ダイスキだったらダイジョウブ!(Day.2)
7.Waku-Waku-Week!
8.G線上のシンデレラ
9.想いよひとつになれ
10.聖なる日の祈り
11.ジングルベルがとまらない
《オーケストラTIME②》
●FRIENDSHIP
●海の音を探して
●ONE FOR ALL
12.MY舞☆TONIGHT
13.待ってて愛のうた
14.未熟DREAMER
《オーケストラTIME③》
●ありがとう、そしてサヨナラ
●起こそうキセキを!
15.MIRAI TICKET(Day.1)
15.WATER BLUE NEW WORLD(Day.2)
16.キセキヒカル
17.Awaken the power
18.No.10
19.ユメ語るよりユメ歌おう(Day.1)
19.勇気はどこに?君の胸に!(Day.2)
EN1.未来の僕らは知ってるよ
EN2.WONDERFUL STORIES
EN3.Thank you, FRIENDS!!
めちゃくちゃ曲数歌ってますね。たしか3rd福岡公演Day.2も22曲だったと記憶していますが、3rdに比べて体感時間がものすごく早かったです。
お写真を撮る時間がないほどに着替えが忙しかったようですが、そんな中でもバッチリ最高な可愛さに仕上げてくれたメイクさんやスタイリストさんにも感謝です。
1stと3rdがアニメをなぞった展開だったのと、2ndがアニメの文脈に囚われない構成だったので今回の4thも文脈とは切り離されたライブになるかなと思っていました。
その予想はいい意味で裏切られ、アニメ1期2期、そして1st/2nd/3rdの総ざらいのようなAqoursがギュッと詰まった面白いセットリスト。
もっと言うならストーリー性すら感じてしまいました。
まずはじめに現れて披露してくれた【君のこころは輝いてるかい?】、【Step!ZERO to ONE】。
2016年1月11日にメルパルクホールで開催されたAqoursのはじめてのライブイベント「ラブライブ!サンシャイン!!Aqoursスペシャル課外活動 みんな準備はできてるかい?~せーのでSUNSHINE!!~」でのライブパートの幕開けと同じ2曲ということで、彼女たちのはじまりの時、長いようで短いようなこれまでの道のりがまるで走馬灯のようにフラッシュバックした方も多いのではないでしょうか。
3曲目はナンバリングタイトルから【恋になりたいAQUARIUM(Day.1)】、【HAPPY PARTY TRAIN(Day.2)】。
1stシングルから2ndシングルの流れで「このライブは時系列に沿っていくのかな?」となったDay.1。
まさかナンバリングタイトルを入れ替えてくるなんてファンミ2017かよ~!となったDay.2。
投票によって明確にセンターが決められたこの2曲。
曜と果南、斉藤朱夏さんと諏訪ななかさんにはどんなふうに光の海が見えていたんでしょうね。
私的なお話になってしまいますが、果南がセンターを取ってからの諏訪ななかさん、自信に溢れた立ちふるまいを見せてくれるようになったのが本当に好きで、そんな彼女が引っ張っていった2ndツアーは人生最高のシーズンだったんです。
なので【HAPPY PARTY TRAIN】を観ると、それまで観てきた【HAPPY PARTY TRAIN】全ての想いが乗っかって毎回強い曲になっていくんですね。勝てん。
ステージ演出とかもすごくて、水の都っぽいステージ構成なのも劇場版の舞台がイタリアだからかな?とか思ったり。
今回は花道が発光するものだったので、【HAPPY PARTY TRAIN】の大サビ(通称:果南レール)で花道全体が虹色に光る枕木を模して光っていたのが良かったです(語彙)(2階席だからよく見えた)。
次に【少女以上の恋がしたい】。
これは2ndツアーで初お披露目となった楽曲ですが、2ndツアー内だとこの曲の後に学年曲/デュオトリオ曲が組まれており、どちらにしても逢田梨香子さんが抜けてしまうので9人全員での完全版はファンミーティング2017の札幌公演でしか披露されていなかったですよね。たぶん。参加してないイベントの情報はあまり知りません。
例に漏れず僕も少女以上の恋ができずにいたのですが、今回ようやく完全版が聴けたので1年越しに成仏できました。
アニメ2期からファンになったよっていう方も絶対にいると思いますし、ここで完全版が披露されて本当に良かった。
5曲目は【青空Jumping Heart】。
【少女以上の恋がしたい】からシームレスに、親の顔より観た映像がスクリーンに。
アニメ1期の主題歌ということもあり、国内外問わず色々なライブで披露されていますね。Aqoursのなかで最も知名度のある曲ではないでしょうか。
ここまでの5曲で一旦お着替えタイム。
Aqoursのはじまりの曲、2nd/3rdシングル、そして1期主題歌と、彼女たちの黎明から日が昇るまでを感じさせるパートだったと思います。
オーケストラTIME①を挟み、学年曲のターンです。
【決めたよ Hand in Hand(Day.1)】【ダイスキだったらダイジョウブ!(Day.2)】
【Waku-Waku-Week!】
【G線上のシンデレラ】
の3曲が立て続けに披露されました。
【決めたよ Hand in Hand】にて、初めて制服で歌って踊るAqours(2年生)を観られたのは貴重でしたし嬉しかったですね。眼福。
2年生、1年生、3年生のAqours加入順に歌われ、ひとつになったAqoursが9人で歌う【想いよひとつになれ】。
双眼鏡の民なのでいち早く観てしまったんですよ。
ステージ上にピアノが出てきたときはさすがにあのときのこと、1stライブのことを思い出してしまいます。思い出すなという方が無理。
あえて言い方を選ばないで書きますが、【想いよひとつになれ】って僕たちにとっても「2度と観られるかわからない曲」「でも観たい」「いやでも逢田さんが…」というジレンマはあったし、逢田さん自身も完全にプラスであの日を終えられたわけではないじゃないですか。
【想いよひとつになれ】、すごくいい曲ですよね。
Day.2でこの曲を歌い終えた逢田さんが涙ながらに、でも笑顔で「この曲楽しいね」って言ってくれたことに救われました。
逢田さんはあのとき以来この曲を楽しいと思えていなかったのか、ただのオタクである僕には想像もつきませんが最終的に笑顔で「楽しいね」って言えていることが何よりですよね。
1stでの出来事は後日の生放送かなにかで「梨子ちゃんが降りてきて引いてくれたのかな」なんて仰っていました。
今回の4thでは、アニメの世界では成し得なかった9人での【想いよひとつになれ】を現実の世界で実現させた。
アニメではできなかったこと、あの曲を歌えなかった梨子が、今度は逢田さんを通してやっと9人で歌うことができた。
キャラクターとキャスト、お互いがお互いの手を取り合って、二人三脚で歩んでいる素晴らしい関係だなって思います。
続く10、11曲目はAqoursからの一足早いクリスマスプレゼントで【聖なる日の祈り】【ジングルベルがとまらない】。
ランプを持って花道を行進しながら歌ったり、トロッコに乗って歌ったりと「Aqours冬休み課外活動~みんなでシャンシャン Aqoursミニライブ2016~」のときとはまるで違う演出になっていて本当に素晴らしかった。
お衣装の水玉模様もちょっと雪っぽく見えていい感じでしたね。
ここの「一足早いクリスマスプレゼント」っていうのが伏線だったことに気づくのはもう少しだけ先のこと。
秋の日はつるべ落とし。
日の出を過ぎ、日脚も早く夜の帳が下ります。
オーケストラTIMEのときスクリーンにはアニメのダイジェストが投影されていて、これにもちょっとしたテーマがあったっぽい感じですね。
Day.1のオーケストラTIME②でほんのりそれに気づき「幼少期のシーンがピックアップされているということは【HAPPY PARTY TRAIN】かもしれない」なんて予防線を張っていたのですが、完全に無意味でした。
12曲目は我らが黒澤姉妹のダブルセンター曲【MY舞☆TONIGHT】。
なるほど、夜の帳が下りたならここからは夜のターンだな。
待ちに待った、というか、誰もが望んだであろう2期「#3 虹」での衣装再現。花魁モチーフのお衣装で登場です。
この「花魁」についてちょこっと考察したものがあるので、ぜひそちらもご覧いただけますとサマステに参加せず記事をまとめる道を選んだ過去の僕も報われます。
segnel.hatenablog.jp
「花魁」というと一見してきらびやかなイメージがありますが、遊郭には凄惨な歴史的背景があるのも事実。
実際に炎も出てましたけど、燃えるように真っ赤に染まった東京ドーム。
先日親愛なる友人と吉原遊廓の跡にある吉原神社へ足を運んだのですが、この曲の持つ「火」のイメージや「花魁」というものの意味に改めて考えさせられました。
もし機会がありましたらぜひ吉原神社へ足を運んでみてください。
続いて【待ってて愛のうた】。
僕の中では「恋を知らない少女が恋に恋するラブソング未満のセミラブソング」という認識のこの曲ですが、なにせお衣装がよろしくなかった。
「待っててくれるかい?」
「信じてくれるかい?」
隔絶された箱庭の中で生き、あるいは生涯を終えた遊女を模した装いで問いかけてくる。
実際Aqoursの皆さんは遊女ではないのでこんなに辛い気持ちにならなくていいはずなんですけど。
和装パートの締め、14曲目は【未熟DREAMER】。
3rdのあと、漠然と「衣装も再現しつつ【MY舞☆TONIGHT】→【未熟DREAMER】が観たい」なんて思っていたんですが、手を変え品を変え、より強いかたちで実現してしまって困りましたね。
和が主体の曲だからそれ繋がりで観たい!というのもありましたが、どちらも夜の曲だし、普通の生活をしてれば人は夜に眠るじゃないですか。DREAM=夢は眠っているときに見るものだし、そうなると物語性も見出だせるのかなって。
オーケストラTIME③を超え、ライブも佳境。
「アクアシップ」という大きな船の役物に乗ってDay.1は【MIRAI TICKET】、Day.2は【WATER BLUE NEW WORLD】を披露。
【MIRAI TICKET】に至ってはどう受け取っても船にマッチしすぎているし、「船が往くよ」と歌いながら光の海を邁進していく姿は得も言われぬ光景だった。
【WATER BLUE NEW WORLD】はご存知ラブライブ決勝において、ここ東京ドームでAqoursが優勝を決めた必殺の一曲。
Day.1では披露されなかったのでちょっと焦りましたね。まぁでも2ndでも名古屋で【MIRAI TICKET】は歌われなかったし、ラブライブですからそういうこともあるかなって思ってました。
どちらの曲もアニメの演出とは違う、いわゆる「再現」というものでは無いものでしたが、アニメの文脈から切り離されていたライブだからこそできた代物です。
スカートを取り外す動作がなかった(そもそもロングスカートの部分は無かった)のも、3rdの時点ですでに解き放たれていたからなのかもしれませんね。
オーケストラの指揮者・加藤達也さんに導かれた先での【キセキヒカル】。
ご自身で作曲した曲をその場で生演奏し、それに合わせてAqoursが歌う。なんだこれ、究極の自給自足・地産地消か?
劇伴の作曲をすべて担当されている加藤さん。
その音楽はいつ何時も千歌たちの傍にあって、彼女たちを導いていた灯台のような存在。
そんな灯台に導かれてAqoursの乗った船が進んでいき、祝詞のような歌をうたう。すごかったなぁ。
そんなオーケストラさんたちもここでお別れの時間。
チケット代ちょっと高いなって思いましたけど、こんな演出があるならむしろ安いくらいでした。素晴らしい演奏をありがとうございました。
そしてなんとここでスペシャルゲストの登場です。
みんな大好き・うちっちーです!
…って思ってたんですけどね。
照らし出されるセンターステージ、人影はふたり。
17曲目はSaint Aqours Snowによる【Awaken the power】。
鹿角聖良こと田野アサミさんは今年7月「甲状腺機能障害」という症状で激しい運動は厳禁、8月に控えたご自身の出演する舞台も降板されるという状態でした。
「七つの大罪 The STAGE」 田野アサミ 降板のお知らせ
— 田野アサミ スタッフの独り言 (@asami_manager) 2018年7月28日
いつも田野アサミを応援して頂きありがとうございます。
声優・女優として活動している田野アサミですが、身体の不調を感じ医師の診察を受けたところ「甲状腺機能障害」であることが判明いたしました。
この「甲状腺機能障害」について僕は全く知識がなく、安易なことは言えないので触れません。
3rdツアーでAqoursと一緒に各地を回って【Awaken the power】を披露してくれたことに感謝しつつも、「あぁ、もう【Awaken the power】は観られないんだな」という気持ちはありました。
「この曲が観られるのはこれで最後かもしれない」という刹那性の意識を強く持ち始めるようになったのはやっぱりAqoursがきっかけだし、どの曲に対してもそう思っています。
でも、だからこそ、もう一度観られたことが本当に嬉しかった。
「じゃあ、最後にしなければいいんじゃないかな?」
「黒澤ルビィはいつでも隣にいます。」降幡愛さんはそう言った。
僕の隣にいるルビィから、そう聴こえた気がしました。
ああ、「一足早いクリスマスプレゼント」って、こういうことか。
名残惜しいままSaint Snowのお二人とお別れし、18曲目【No.10】。
この曲についてはちょっと別に後述しようと思うので、ここでは割愛。
楽しい時間、夢のような時間の終わりを告げるような、まさにエンディングテーマの【ユメ語るよりユメ歌おう(Day.1)】【勇気はどこに?君の胸に(Day.2)】。
もはや合唱も定番となり、HAKODATE UNIT CARNIVALでも言及されていた「9人の曲だけど、みんなで歌える曲」なんですね。
こうして世界をどんどん広げていくAqours。
「一緒に輝こう!!」と言ってくれたり、
青い羽根を届けてくれたり、
クリスマスプレゼントをくれたり、
みんなで歌わせてくれたり。
贈り物のようなひとときでしたね。
衣装も新たに出てきてくれたアンコール1曲目は【未来の僕らは知ってるよ】。
ライブの幕開けに歌われるこの曲は未来への期待感に胸を膨らませるようなイメージが有るのに対して、アンコールで歌われると自分たちの軌跡を振り返って昔の自分たちにエールを送るかのような曲に聴こえてくるので不思議なものです。
アンコール2曲目は【WONDERFUL STORIES】。
4thにおけるこの曲の何がすごかったかって、間奏でのセリフ部分ですよね。
特にDay.2では、あれだけ長いセリフにもかかわらず千歌の口の動きと伊波さんの言葉のタイミングに全くズレがなくて。
3rdツアーが完全にアニメの文脈に沿ったライブだっただけに間奏のセリフがなかったことだけが唯一の心残りだったのですが、今回のライブで2度目の成仏を迎えることができました。
ほんとにホントに本当に最後の曲になった【Thank you,FRIENDS!!】にて終了。
この曲についてもちょっと別項目で書こうかなと思います。
ざっと振り返ってみても凄いライブでだったなって思います。
曲間のテンポも良くて幕間が幕間になってない構成になっていましたが、これくらい詰め込まれている方が我を忘れて没入できるので個人的には好きですね。
Aqoursの皆さん、素晴らしいライブを本当にありがとうございました。
「No.10」が苦手だった
読んで時のごとく、僕はこの曲がちょっと苦手だったんですよね。
ライブまでに5回も聴いてないんじゃないかなって思います。
キャストさんでも言及されている方がいらっしゃいますが、曲の解釈は人それそれ。
そもそも僕は他人に胸を張れるような生き方はしていないし、そんな人間とAqoursとして輝かしい活躍をして命を削っている人達と同列にしないでくれって思ってますし。
「胸を張って10人目とは言えないけれど、ファンとして仲間でいたい」みたいなスタンスです。
それなので僕は「君も仲間だよ」って言われることに物凄い違和感を持っていました。
Aqoursの仲間でいられること、いていいこと。
初めてこの感覚に気づいたのがファンミ2017を通しての【Landing action Yeah!!】で、そのまま仲間となった状態で迎えた【ホップ・ステップ・ワーイ!】だったんです。
なので3rdの福岡公演で【ホップ・ステップ・ワーイ!】を歌ってくれたことは本当に嬉しくて。
その翌日だったでしょうか、福岡にいるときに【No.10】の試聴動画が公開されまして。
僕は基本的に試聴しないタイプのオタクなので【No.10】を聴いたのはCD発売日になってからですが、最初に抱いた違和感。
「あれ、今まで仲間だって思ってたのは勘違いだったのかな」ということ。
今まで友達だと思ってた人から「俺たち今日から友達だな!」って言われたような感覚が近いでしょうか。
いろいろ考えちゃったんですよね、どこから受け取り方を間違えたのかなとか、そもそもはじめから違ってたかな、とか。
だからよくわからなくなって、この曲に向き合うのを逃げてました。
迎えた4th当日。
【Thank you,FRIENDS!!】の演出で白い羽根が舞い上がるものがありましたね。
作中、たびたび暗喩として登場していたあの羽根です。
アニメでは白い羽から移り変わる青い羽根を以てAqoursの、彼女たちだけの色を見つけた。「幸せの青い鳥はずっと近くにいた」というものでした。
じゃあ、どうしてここでまた白い羽根なんだろう?って考えたんですけど、ライブが終わったあと答えはすぐに出ました。
どうやら僕は、「何かを成すことがAqoursの10人目になる条件」みたいな概念に囚われていたようです。
「10人目」という呪文。呪いの文言。
そうじゃなくて、「常に挑戦者だったわたしたちは成し遂げた。だから次はあなたの番だよ」っていうロシアンルーレットみたいな意味での「10人目は君だよ」なのかな、と。
Aqoursは常に挑戦者。
偉大な先輩と比較されながらも求められ続けている高いパフォーマンス、コンテンツ初のライブツアー、更にはライブの海外公演、アジアツアーまでも決まっています。
だから、「人生に挑戦し続ける以上わたしたちの仲間、10人目だよ」なのかなって。
そう考えたらスッと腑に落ちました。
【Landing action Yeah!!】や【ホップ・ステップ・ワーイ!】はまさしくファン目線での「仲間」の歌なのですが、そもそもベクトルが違ったわけです。
こうして無事「苦手」では無くなったわけですが、でも僕はやっぱりまだこの歌のことを「好き」にはなれなくて、多分それは僕が人生に妥協しているからなのかなっていうことにも気づいてしまったからなんですね。
目標らしい目標も立てず、毎日をただ消費しているだけの生活なので。
なので僕がこの曲を本当に「好き」になることができるのは、いつかそれらしい目標だとか、真に生きる意味を見つけられた時なのかな、そう思います。
Thank you,FRIENDS!!
4thライブが終わったとき、どんな感情でしたか?
僕はとにかくAqoursの皆さんへの感謝の気持ちと、運営に携わってくれたスタッフさん、メイクさんやスタイリストさん、畑亜貴先生や加藤達也さんを始めとする作曲家さん、とにかく色んな方への感謝の気持ちでいっぱいでした。
兎にも角にも、顔も名前も知らない人へも感謝してましたね。
【Thank you,FRIENDS!!】という曲も多々解釈のある曲となっておりますが、ここはひとつシンプルに考えてみようかな、というか、これはつい先日気がついたことなのでそのまま書いていきます。
皆さんにはラブライブ!サンシャイン!!を通して繋がった、もしくは昔から変わらずの付き合いがあるお友達はいらっしゃるでしょうか。
そのお友達に向かって素直に「ありがとう、会えてよかった」とか「あなたとの出会いは人生で最高のプレゼントだ」とか、何の臆面もなく言うことって、できますか?
だいたい無理ですよね。
気恥ずかしいし、こっちがいたって真剣だったとしても「何だこいつ、死期でも悟ったか?」なんて茶化されて誤魔化されておしまいです。
でもこの感情って、4thを観たあと、【Thank you,FRIENDS!!】を受け取ったあとだったら笑い事じゃあなくなりませんか?
そこで気づいたんです。
【Thank you,FRIENDS!!】という共通概念は言葉の持つ意味を対等にしてくれるんです。
ライブのあと、Aqoursの皆さんに向かって叫んだでしょう?
「ありがとう」って。
本当はもっと言いたいことがあるでしょうけど、「ありがとう」だけでいいし、「ありがとう」がいいんですよ。
見栄とか体裁とか、そういう垣根が全部なくなって、一番重みを増すのはシンプルで真っ直ぐな言葉なんです。
僕は排他的で人見知りもするしコミュニティの幅も広くない人間ですが、それでも大事な友人と呼べる存在は昔からの付き合いがあるし、サンシャイン!!を通して知り合うこともありました。
そんな人達に「ありがとう、会えてよかった」なんて急に言い始めたら気持ち悪くないですか?
でも今の僕たちは【Thank you,FRIENDS!!】を受け取っているんです。
言うほうも言われるほうも、正しくその言葉の意味を理解できるはずなんです。
というわけで僕の数少ない友人の皆さん、僕が真面目な顔して唐突に「ありがとう」なんて言い出しても、どうか茶化さず誤魔化さずに受け取って欲しい。
そしてこれを読んでくれた人、大事だなって思っている友人に感謝の気持ちを大真面目に伝えてみてください。たぶんちゃんと受け取ってくれるはずです。
サンシャイン!!での知り合いはいないけど、リアルでの友人なら…という人、4thに参加するにあたっていっぱい買ったでしょう?
そのCDを友人にプレゼントするのです。
もし聴いて気に入ってくれたら、そのご友人はまたあなたにとって大事な存在になるかもしれません。
推しの話
僕は黒澤ダイヤが好きで、だからという訳ではありませんが小宮有紗さんが好きです。
9人と9人、みんな好きなのですがダイヤと小宮さんはいわゆる「推し」になるのでしょう。
【Thank you,FRIENDS!!】の黒澤ダイヤソロを聴きました。
ほとんど抑揚なく、淡々と歌い上げられているあたりが非常にダイヤっぽいというか、ダイヤが友達の事を想いながら歌うとすれば間違いなくこうだ、と感じるものでした。
アニメ1期「#9 未熟DREAMER」、黒澤家でダイヤが果南の過去の話をバラしてしまうシーン。
オフィシャルブックの53ページに「私個人ならもっと感情的になってしまうと思うのですが、ダイヤなら絶対に自分の感情を隠して、落ち着いて話すだろうと思って演じました」と語られています。
もともと声優でもなく歌手でもない小宮さんが、ダイヤを演じるにあたって歌でもこんな表現ができてしまうというのが本当にすごくて。
かつて畑亜貴さんのインタビューでこんなことが語られていました。
「もちろんユニットはみんな好きなんですけれども、たぶんわたしの個人的な感情とシンクロ率が高いんですよね。自分が表現したいと思ってることの巫女さん的なユニットだなって思います。もっと背負わせちゃっていいんだ、情熱×哲学みたいな方向に行っちゃっていいんだって、パフォーマンスを見て勝手に思ってしまって(笑)」
引用:ダ・ヴィンチ2018 4月号
ユニットシングル第2弾が作られる前に畑亜貴さんが抱いたというこの印象。
畑亜貴さんの欲望や好みを詰め込まれてできたのが【GALAXY HidE and SeeK】ですし、この曲のセンターはダイヤであり、小宮さん。
きっと畑亜貴さんにとって、小宮さんは自分を投影できる最高の依代なのではないでしょうか。
少し話が変わります。
9/15、女優の樹木希林さんが亡くなられました。
その樹木希林さんの戒名が「希鏡啓心大姉(ききょうけいしんだいし)」だったことも話題になったので見かけたことのある方もいらっしゃるかと思います。
芸名と本名から一文字ずつ取られ、彼女自身が女優としても「希(まれ)」な存在であり、「鏡」は生前によく口にしていた「役者は人の心を映す鏡」からとられている、というのが由来だそう。
また話が変わります。
少年ジャンプで連載中の「アクタージュ」という作品をご存知でしょうか。
細かい説明は省きますが、役者志望の主人公・夜凪景(よなぎ けい)。彼女の芝居は自身の経験や役柄がおかれた状況を擬似的に追体験することで演じられる「メソッド演技法」という技法の極地みたいなもので、芝居というよりは「その人そのものになってしまう」レベルの代物。
役になりきるあまり、人が目の前で斬られるところを想像してゲロを吐いてしまったりします。
共演者からは「人を映す鏡のような芝居」と言われたりしています。
そんな「アクタージュ」、現在「銀河鉄道の夜編」なんですが、これがめちゃくちゃ面白くて。
ざっくりお話すると、「銀河鉄道の夜」は死者しか乗ることができない列車のお話。
その舞台の監督が癌に侵されており、明日をも知れぬ状態の中で抜擢したのが主人公の夜凪さん。
「人を映す鏡のような芝居」をする夜凪が、死と向かい合っている監督から何を受けてどう演じるのか、何を見せてくれるのかがいま非常におもしろくて、毎日月曜日が来いって思っています。
ここで2度出てきた「鏡」。
僕は役者でも何でもないのでこの「人を映す鏡」にいまいちピンとこなかったのですが、4thでの小宮さんを観ていたらなんとなくわかった気がしました。
クリエイターからの要望、欲望を限りなく100%に近い純度で役を投影できるのが理想で、たぶん小宮さんはそれに近いレベルにいるんじゃないのかな、ということです。
夜凪さんみたいなメソッド演技法とは違うと思いますが、現に小宮さんはクリエイターからの要望を引き出し、欲望に応えている。これ以上の証明はないと思うんですよね。
役だけでなく、クリエイターの要望や欲望まで背負って表現できちゃう小宮さんホントすごいよね、というお話でした。
話を戻します。
僕が持っている小宮有紗さんの印象として、他の8人に比べてラブライブ!というコンテンツに入れ込みすぎていないというものがあります。もちろんいい意味で。
大事な役・仕事の一つではあるものの、これが全てではないという印象を受けていて、そこに惹かれているのも事実です。
でもまぁときどき、本当にごく稀に思っちゃうことがあるんですよ。
「この人はどのくらい黒澤ダイヤが好きなんだろう」って。
とんでもなく失礼な話ですよね、不敬まである。
言うまでもなく小宮さんはダイヤのこと大好きだと思いますし、じゃなくちゃこんなに惹かれてないんです。
好きの深度、というのが適切でしょうか。
他の演者さんと比べるようなつもりもないのですが、ふと8人を見ると担当キャラとして立ちたくて涙したり、1ファンとして研究していたり、外見はどうやっても近づけないから「一緒に立ちたい」と言っていたり。色んな演者さんがいます。
その中で小宮さんは、9人の中で限りなくキャラクターそのものになれる外見を持っているのにあえてそれはしなかった。
髪の毛を黒くして前髪パッツンにすることもできるんですけど、それでダイヤのコスプレのように見えるのは嫌なんです。このままの私でもダイヤに見えてほしいから、わざと普通の髪型にしていて。
この辺はVOICE BRODY Vol.2の60ページでも語られていますね。
しかし3rdツアーからでしょうか、小宮さんは黒髪でパッツンの完全黒澤ダイヤで登場しましたね。
そして今回の4th、ダイヤをドームに立たせてあげたいというところなのでしょうか。今回も黒髪パッツンの完全黒澤ダイヤでした。
MCなんかにおいても小宮さんは普段あまりダイヤの話ってしなかったと記憶していますが、「私がダイヤだから本物なんだけど」とか「黒澤ダイヤとしてこの場に立てることが」みたいなことを言っていたんですよね、たしか。ライブ後のオタクは記憶力がないので言ってなかったらすみません。
どんな心境の変化があったのか、あるいは心境の変化なんて無かったのかもしれませんが、僕にとっては好きの深度が一層深まったように思えてすごく嬉しかったんですよね。
懸念というほど案じていたものではありませんが、僕は僕が真に求めていたものを与えていただいたので満足しています。
「人を鏡に映したような」なんて話もちょっとしましたが、ダイヤと小宮さんは口元のホクロの位置からしてもそのまま鏡に映したようでもあるな、なんて。
あとがき
ここにきてようやく自分語りのあとがきです。お付き合いいただきましてありがとうございます。
4thに臨む前、何も考えないで楽しむぞ~!なんてヘラヘラしていたんですが、事前物販で届いたパンフレットを読んだらヘラヘラなんてできなくて、むしろメンヘラになってもおかしくなさそうでした。
前回の記事でも書きましたけど、やっぱりラブライブは呪いなんですよ。
「まだAqoursは終わりじゃないから」とか書いたり言ったりしてくれるじゃないですか。
でもそれってやっぱり、前を見るだけじゃなくて後ろを振り返ったときとかゴールが見えてきたときに出る言葉なんです。
いつか必ず終わることが約束されたスクールアイドルという存在、日に日に迫ってくる期限に怯える呪縛。しかも先代が終わりを迎えたあの東京ドーム。嫌でも脳裏を過ぎります。呪い以外の何物でもない。
それが示唆されたとき、「Aqoursの終わり」という現実が近いことが肌に触れたとき、自分でもびっくりするくらいビビり散らかしてたんですよね。
Aqoursと一緒にいられる時間って本当にあと僅かだと思うんですけど、今回みたいにならずに笑って迎えられたらいいですね。
前回の記事の話ついでに、「いろんなものを受け取れますように」なんて書いてたんですけど、逆に受け取るものが多すぎて困ってます。
二度とないと思っていたクリスマスプレゼント、苦手だった曲の克服、歌の持つ意味、生きる活力などなど。
チケット代に対して貰ったものが多すぎて、逆にこれ運営赤字じゃない?いいの?
ラブライブは宗教なので、信仰心が高ければ高いほどに恩恵が受けられます。
僕の見える範囲でのお話ですが、ライブが終わったあと口々に人生を肯定されているオタクが見受けられました。
彼らはサンシャイン!!に真剣なので、真剣であるほどに恩恵を受けられたのでしょう。
アニメもそうですが、一見して分かりづらくて良さが伝わりにくいものの、ほんのちょっとの気付きで見方が変わって、真剣になって、色々なものを受け取ります。「このアニメ、めっちゃ作り込まれてるじゃん」って。
かく言う僕も盲信者なので、4thは自分のためにあったくらいに思ってます。
欲しかった以上のものを受け取れて、呪縛から開放されて、また明日からも頑張ろうって思えている。
確か逢田さんだったと記憶していますが「これが新しいスタートラインになれば」というようなことを仰っていたんです。
4thの前、Sailing to the Sunshineというタイトルの意味を考えていました。
「一度すべての足並みを揃えて、ゼロをイチにしたその先へリスタートするためのものであってほしい」。僕は前回の記事でそう書きました。
東京ドームという呪縛の地から解放されて、Aqoursだけの船出を約束してくれた。
5thライブもあるし、船出と呼ぶに相応しいようなアジアツアーまである。
これ以上の答えはなくて、これがたまらなく嬉しかったんです。アジアツアーは流石に行けませんけど。
東京ドーム、あの会場は気圧差でドームを膨らませているのですが、あのドームってよく見ると巨大な帆みたいですよね。帆に風を受けて走る帆走(Sailing)におあつらえ向きの会場です。
会場を出るとき、とんでもない追い風に背中を押されましたよね。
これもやっぱり帆走(Sailing)なんですよ。頑張れよ、ってAqoursに背中を押してもらったんです。
まぁこれも気圧差による現象なのですが、これを「いやそれ気圧差~w」とただの現象として捉えるか、自分にとって意味のあるものにしていくかは肯定力の差でしょう。
犬を拾い続けた成果が出ました。
僕は会場を出る瞬間まで楽しんでました。いや、最後まで楽しんでしまって本当すまん。
こうして無事呪縛からも解き放たれ、「明日からも頑張ろう」という活力を得て、最高の2日間を終えたのでした。
最後までお付き合いいただきまして本当にありがとうございました。